過去の経験を頼りにしない、という生き方

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みなさま、お盆休みをお過ごしなのでしょうか?

私は「大人になったら着たい服」の撮影が佳境を迎えていて、
さらに、別の本の執筆、まねしんぼ日記の準備、などいろんなことが重なって
バテバテになっております……。

 

このサイトのコンテンツも、取材は終わっているのになかなかまとめる時間が取れず
滞り気味でごめんなさい。
もう少ししたら、また内容をパワーアップしてお届けしようと思っています!

 

さて、体も心も疲れている時に、
何より元気になれるのは、私にとって「読書」です。
今の自分に響く言葉をたったひとつでも見つけたら

「そっか〜〜〜〜!」と深く感動して、背筋が伸びて、
新しい宝物を発見した気がしてワクワクしてきます。

そしていつのまにか疲れも吹っ飛んでいるのです。

 

最近読んで面白かったのが、元Jリーガーで今はサッカーの解説者として活躍していらっしゃる
戸田和幸さんのこの本。

たまたま戸田さんがラジオのゲストとしてしゃべっていらっしゃるのを聞いて
面白そうな方だなあ〜と思い読んでみました。

 

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私は、サッカーについてはまるで素人なので、現役時代の戸田さんのことも全く知らず
もちろん解説者としての姿も知りませんでした。

この本は、戸田さんが現役を引退した後に、どうやって「解説者」になっていったか。
サッカーの解説って一体なんなのか、が綴られています。

その中で戸田さんがおっしゃっているのは、サッカーのピッチ上で今起きている現象を
「言語化する」ということ。

 

サッカーはそこで何が起こっているのか、ただみているだけでは理解できません。
私たちがわかるのは、せいぜいパスが通ったとか、ゴールを決めた!ぐらい。
でも、その前には、それが起こるべきして起こるために、監督がプランを決め、
それに従って選手が動き、連携し、いろんな事象が起こっている……。

戸田さんは、ただそこで起きている、私たちには見えないことを読み解き解説しようと
されています。

私が一番すごいなあと思ったのは、こんな一文。

「過去の経験を頼りにしてしまうと、間違いなく失敗する。
なぜならサッカーは日々ものすごいスピードで進化しているからだ。(中略)
過去の経験というものは、基本的には自分が主体なものでしかない。
しかし、我々解説者の仕事は他人が行うものを読み解いていくことだ。
だから、過去の経験は助けにはなるが、それだけでは足らないし、
頼ってしまうと失敗することになる」

 

そっか……。過去の経験はただの「助け」にしかならないんだ……。
歳を重ねると、経験が増えて、そのぶん楽になるのかと思っていました。
でも、それだけじゃダメなんだ。

そのことをズバリと指摘された気がしました。
今、目の前に起こっていることは何なのか?
常にそれを観察し、分析し、考える……。
その作業は、何歳になっても繰り返し、自分をアップデートしないと
今を面白がることができないのだと思います。

もう一度フレッシュな気持ちに戻りたいなと
バテバテ気味の日々の中で改めて思ったのでした。

さ、元気だそ!

 

 

皆様、素敵な夏をお過ごしください。

 

 

 

 

 

 

 


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