世の中には、早送りできない時間がある。

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大雨の被害をニュースで目にする度に胸が痛みます。
このサイトの「ビジネスピープルからの贈り物」でご紹介した、
「Sa-rah」という洋服のブランドを営む帽子千秋さんも大洲市在住。
ご自宅やお店は無事だったそうでホッとしましたが、
洋服をストックしている倉庫が水没してしまったそう。
まだ状況がよく把握できていないのですが、何かできることはないかと考えています。

 

さて。
私はといえば、「暮らしのおへそ vol26」の怒涛の取材がやっとひと段落したところです。

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上の写真はちょうど大雨の日に奇跡的に飛行機が飛んで訪れた高知。
ちょっと小ぶりになったところです。
スニーカーは中までズブズブで、取材先でパンツを履き替えさせてもらい、
このあと、ユニクロに靴を買いに行きました。

 

これからは、自宅での編集&執筆作業。
まずは、上がってきた写真を元に、デザイナーさんに渡すためのコンテを書きます。
仕事で鉛筆(シャーペン)と消しゴムを使うのはこの時ぐらい。

消しゴムカスを掃除するのに、もう10年ぐらい使っているのが、このハンディークリーナーです。
消したらすぐにこれでウィーンと吸い込みます。
出ないと、散らばって、床に落ちたりと周りがどんどん汚れていくので……。

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そして、1件1件取材してきたノートを見返しながら、原稿を書きます。
ここから先は、どんなに急いで仕上げようと思っても、時間短縮をすることはできません。
せいぜい1日1件仕上がればいいところ。
だから、今は原稿がてんこ盛りです。

早くやっつけないのですが、こればかりはテキパキと……というわけにはいかないのです。
じっくり向き合って、書いては考え、訂正し、また書いて。
時間をかけることでしか、前に進むことができません。

 

世の中には、効率よくできることと、
時間をかけなくてはできないことがあるなあと思います。
「それ」をやり遂げるためには、絶対的に変えられない「時間」がある……。
早く終えたいと、気が焦るし、モヤモヤするのですが、一歩ずつ手探りで進んでいくしかありません。
でも、そうやって正面から「時間」と向き合うことって、
日々の営みの中では少なくなったなあと思うのです。
煮物は圧力鍋や電子レンジで時短できるし、
掃除は吸引力の優れた掃除機でぱぱっとこなせるし……。

でも、時には豆をコトコト煮るのもいいし、
雑巾で拭き掃除をすると、ちゃちゃっと済ませていた時には、見えなかったものが見えてくる……。

モヤモヤとした悩みから抜け出す時にも、
自分の意志ではコントロールできない長いトンネルを
辛抱しながらテクテクと歩き続けなくてはいけません。
でも、見なかったことにしてすっ飛ばしてしまったら、
悩んだ時間が与えてくれるプレゼントを受け取ることができない……。

てんこ盛りの原稿を前に、
コツコツやらなきゃ、しょ〜がない、と腹をくくって、
執筆に取り掛かります。

みなさま、いい1日を。

 

 

 


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