日常の周りのパラレルワールド

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昨日「集中」などと、 エラそうに書いたものの、
入稿がひと段落したと思ったら
急に緊張の糸が切れ、
お昼寝は2時間しちゃうし、
夜ご飯は、連れ合いが忘年会なのをいいことに
あり物ですませるし、
終日ダラダラモードで過ごし、
夜9時頃になって、
「まだ、やらなくちゃいけないこと、いっぱいあるじゃん!」
とパソコンの前に座って、
あっという間に深夜になる……。

という、超ダメダメな1日でした。

いつも、仕事が終わると思うことですが、
締め切りに追われて、
ちゃんと段取らないと終わらない!
っていうときには、
自分のネジをいっぱいに巻いて、
高速テキパキイチダマンになって、
「できないかも」と思っていた量を
「できちゃった!」と終わらせることができます。

ところが!
一旦「もう大丈夫」
と思ったとたん、
あれっ!今日できたのってこれだけ?
と自分で驚くほど、
能率がガタ落ちに。

あの、テキパキイチダマンのまま
ずっと過ごしていれば、
仕事も家事も、前倒しして片付いて
憧れの「ゆとり」というものが手に入るはずなのに……。

どういうわけか、
テキパキイチダマンは、あっという間に
霧の彼方へ消えていくのでした。

同じ「時間」が流れているのに、
自分の在り方で、
1日ってクルリと回って
まったく違う日になってしまうのですね。

なんだか自分の周りに
テキパキモードと
ダラダラモードという
ふたつの時間軸のパラレルワールドが存在する気がして
不思議な気持ちになります。

 

夕方、寒風の中、自転車を飛ばしてスーパーへ買い物に行きました。
5時過ぎだというのに、あたりはもう暗くて、
吉祥寺の街はネオンがいっぱい。

すると、なんだかスースーするのです。
1週間、家にこもって原稿を書いていると、
外の風景すべてがよそよそしくて、
「あんたなんて、忘れてたよ」
と言われている気分。

毎日電車にのって、取材に出かけていたら、
まったくそんなこと、感じられないのに、
少し社会との間に距離を置いたら
たちまち置いて行かれた気持ちになる……。

子供の頃、風邪が学校を休んで
しばらくぶりに出て行ったときと同じような気分……。

 

ここにも、「我が家」と「社会」という
ふたつの時間のパラレルワールドがあって、
私たちは、仕事や、
お子さんがいる方は学校の行事などで
その接点を作っているわけです。
でも、自分がアクションを起こさなかったら
2本のパラレル=平行線は、交わらない。

 

原稿が終わった夜は、
いつもの日常を、ちょっと夜空の上から
眺めてみたくなるのでした。

 


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