心を届ける、ということ。

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昨日、小さな荷物が届きました。
エッセイストの広瀬裕子さんから。

 

開けてみると、なんて美しい佇まい!
自由学園のクッキーでした。

「ああ、あれだ!」
とすぐピンときました。

昨年、文藝春秋の「クレア」で贈り物特集をした時、
広瀬さんにも取材をお願いし、
その時、教えてくださったのが、このクッキーだったのです。
しかも、普通ならピンクのリボンなのですが、
あえて「白でお願いします」と言って送ってもらうのだとか。

そう聞いていたので、この佇まいを一目見て、
「ああ、あれだ!」と思ったというわけです。

そうっと包みを開けてみると、なんと中も真っ白な缶!

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繊細でキリッとした広瀬さんの雰囲気が、そのまま贈られてきたようでした。

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素朴なクッキーはしみじみ美味しくて、
私にしては珍しく、丁寧に紅茶をいれてみたりして、ゆっくりティータイムを過ごしました。

 

こんな風に、特に理由もないのに贈り物を贈る……って素晴らしいなあと思いました。
私が誰かに何かを贈る時は、
お世話になったり、何かをいただいたお返しだったり。
そこには必ず「理由」があります。

でも、あの人のことをふと思い出して贈る。
そんな贈り物が、こんなに人の心を豊かにするものなんだ、と知りました。

しかも、ずっと以前にやり取りした記憶がそこに含まれている。
「あの時、あんなお話しましたよね」
と二人だけが知っている「時間」がそこにある。
そこから「繋がっている」という贈り物……。

 

私もこんな心を届ける贈り物ができる大人になりたいなあと思いました。

 

 

 

 

 

 

 

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広瀬さんの新著「整える、こと」(PHP出版)には、この贈り物のような空気が流れています。

 

 

 

 


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