「暮らしのおへそ vol.41」いよいよ発売です!

じゃじゃじゃ〜〜〜ん!

「暮らしのおへそ vol,41」
いよいよ明日1 月30日(金)発売です!

今回の表紙はりんご。
あんざい果樹園のりんごを、北海道の安齋伸也さん、明子さんのお宅で
撮らせていただきました。
自然のまんまの、ちょっと禿げたり、ムラがあるりんごのたたずまいがいいでしょう?
寒いこの時期に、
りんごでもかじりながら、ゆっくり読んでいただけたら嬉しいなあ〜。

巻頭は、「おへそ」が創刊されてから初めての男性になりました!
俳優の柄本佑さんです。

私は柄本ファミリーが大好きです。
今は、次男の時生さんが「ばけばけ」でいい味出した演技をされていますよね〜。

そして、去年「光る君へ」で藤原道長役を演じられた佑さん。
あのね……。
超イケメンというよりも、味わいのある俳優さんだよね〜
と思っていたのです。
でも……。

インタビューでお話を伺っていると、
恥ずかしがり屋さんだから、下や横をむいて話されるのですが、
時々、大事なところになると、
バシッと目を合わせて語られるんです。
その度に、バキュ〜〜〜ン!と胸を撃たれたようなかっこよさでした。

なにしろ俳優一家だから、
シャイで無口な父、柄本明さんと唯一のコミュニケーションが
映画の話だったのだとか。
だから、若い頃から何より映画が好き。
下駄を履いて、映画館巡りをしていたそうです。

そんな柄本さんは、演じたいから演じていらっしゃるんだなあと
お話を聞きながら思いました。
いい俳優になりたいとか、有名になりたいとか、人気者になりたいとかは一切なし。

インタビュー中、「いい俳優になるためには………」という質問をすると、
さりげなく
「僕はいい俳優の『いい』ってわからないんですよ」と
おっしゃいました。

つい「よりよい仕事をするために」とか
「よりいい俳優になるために」はどうしたらいいのかと聞きたくなるけれど、
演じたいから演じる。映画の中にいたいからいる。
その方がずっと強いのだなあと感じさせられました。

2月末から公開の「木挽町のあだ討ち」という映画も
試写で一足先に拝見しました。
本当にいい映画で、飄々とした柄本さんの魅力が十分に引き出された物語でした。
映画を撮っている最中のエピソードも書きましたので、
ぜひゆっくり読んでみてください。

佐藤澄子さんは大手広告代理店でコピーライターとして活躍したのち、
たったひとりで出版社を立ち上げた方。
会社の名前は「セカンドラップ」。
人生の2週目という意味です。

シリアのレシピ集や、スウェーデンのシェフでありスキーヤーでもある著者の
雪山で遊ぶ日をイメージしたレシピ集などなど。

世界中から「いいな」と思った本を選び、翻訳して
日本で出版されています。

そんな佐藤さんは、毎朝パートナーと、「今日の夕飯は何にする?」という
ミーティングを開くそう。
そして、夕方キッチンに集合して一緒に作ります。

さらに毎朝のランニングも習慣です。

だから、佐藤さんのおへそは「食べて、走って、本を作る」。

こんなふうに歳を重ねたいなあと憧れずにはいられない先輩でした。


安齋伸也さんと明子さんは、
札幌でカフェを7年間営んだ後、小さな田舎町蘭越町に引っ越しました。
古い保育園に手を入れて暮らしていらっしゃいます。

引越しの理由が、消費経済から少し距離をとりたかったから。

「何が正しい、正しくないって、
時代やそのときの社会によってコロッと変わってしまうじゃないですか?
でも、自然って絶対に変わらない。
暖かくなったら芽が出るし、寒くなったら葉っぱの色が変わります。
そんな『変わらないこと』のなかで、
自分が生きていくしくみを作りたい」

そう語ってくれた明子さんの言葉は、
私の長年の「おへそ取材」の中でも、
忘れられない宝物となりました。

目白で洋服の店「モンサカタ」を営む坂田敏子さん。
夫は、骨董界では知る人ぞ知る「古道具坂田」を営んで、
残念ながら4年前に亡くなった坂田和實さんです。

そのご自宅の美しかったこと!
キッチンには、使い込んだふきんがきちんと洗って乾かして積み重ねてあり、
窓辺には、洋服を作ったハギレのカーテンが揺れて、
食卓の上に置いてある、小さな陶器のふたものをそっと開けてみると、
塩が入っていました。

好きなものを、ずっと使い続ける……。
その美しい暮らしに、たくさん刺激をいただきました。

若い頃に憧れて、恐る恐る足を踏み入れた「ギャラリー百草」の店主であり
陶作家でもある安藤雅信さん。

ずっと美術や工芸の世界で活躍されてきたので、
さぞかし感性の人、直感の人かと思いきや……。

びっくりするほど、朝起きてから寝るまで、
やるべきことがきちんと決まっている
まさに「ルーティン男」でありました!

毎朝新聞を読んで、気になる記事を切り抜き、
鉛筆を刀で削って
ストレッチで体を整えます。

ご自宅には、限界まで短く削った鉛筆と、その削りかすが
薬瓶の中に溜められていました。
「過ぎ去った時間を可視化してくれるんだよね」と安藤さん。

さらに、作る器はいつも社会性と結びついているときいてびっくり。
陶作家として駆け出しだった頃に作ったのはオーバル皿。

女性が仕事を持ち活躍し始めた時期、
だったら、洋皿、和皿にとらわれず、
手間をかけないワンプレートにと考えたそう。
それが、当時はまだ珍しかったオーバルという形でした。

本文の最後にはこんなふうに書きました。

「安藤さんが教えてくれたのは、必要な時間は決して短縮できないということ。
何かを成し遂げる力は、
日々の地道な蓄積だという揺るぎない事実でした」


吉祥寺で花屋「hibi」を営む新関恭子さんのおへそは
「全部はがんばらない」。

疲れて帰った日には
ピザは買っても、ポテトは家で揚げる。
などなど。

素敵なご自宅のインテリアにはため息が出るばかり。
夫で建築家の謙一郎さんが手がけた手作りの数々も必見です

東京町田市の簗田寺住職で、ミュージシャンでもある斉藤紘良さんと
お寺内にある「しぜんの国保育園」に勤める美和さん。

紘良さんに教えていただいたのが「ご縁」ということ。
「ご縁とは、『あなた』と『私』の境界がなくなるということでもあるんです。
世界は自分だけではなく、いろいろな意思が絡み合ってできています。
私が選んだことでもないし、
ここに座っているのは、ただ『ご縁』があるから。
そうやって、どんどん私が解体されていくと、
あるがままの今の状態を、
どいうやって理解していくかが大事になるんですよね」

という深い言葉の意味を、今でも私は反芻し続けています。

真藤舞衣子さんのおへそは「発酵生活」。

キャベツやにんじんの千切りを
塩と水だけで乳酸発酵させる発酵野菜、
ぜひこれから作ってみたいと思っています。

日本トップクラスの同時通訳者、
田中慶子さんのおへそは
「いちいち考える」。

いちいち考えるって、しんどいことです。
何も考えず、素通りしてしまえばラクなのに、
必ず立ち止まり、
自分で考える……。

「それは思考の習慣化だと思います」
という一言に、なるほど……と自分を振り返りました。

自宅の一角を改装し、「だいどこ道具ツチキリ」というお店を
オープンさせた土切敬子さん。

打ち合わせに、そして取材に伺うたびに
私はザルを買ったり、ふきんを買ったり。

暮らしの延長線上にあるお店だからこそ、
土切さんの話は説得力があり、
ついあれこれ欲しくなってしまいます。

「できない」を「できる」にひっくり返すより、
「できること」に気づく方がずっと確かだと
教えていただきました。

アーティストの宮山香里さんと、
イタリア人の夫、クリスティアン・ボッフェッリさんのおへそは
「アペリティーボ」。

いつもの夕飯の前に、
仕事から帰ったら一休みして、
軽いものをつまみながらお酒を飲むそう。

何かと何かの間の余白時間を大切にする
ふたりの暮らしを見せていただきました。

山梨県の素晴らしい自然の中に佇むお店
『エヴァム エヴァ ヤマナシ」店主であり、
デザイナーでもある近藤尚子さん。

ものづくりをするときにはまず
自分の声に耳を傾けるそう。

何が気持ちいいかな?
どんな暮らしをしたいかな……などなど。

カシミアやウールのインナーの気持ちよさそうなこと!

外ではなく、中を上質に。
そんなおへそをぜひ覗いてみてください。

「小さなおへそ」は、robin ASOの土持さんに、
今までのおしゃれの歩みを伺いました。

袖を通した数が、おしゃれの力になることを改めて感じました。


「おへそ通販」は、「ハウス」さんと一緒に作ったロングシャツ。
いい素材のシャツって、ばさっと着ただけでサマになるんだと
今回はじめて知りました。

それから
イイホシさんの器に、「たべると暮らしの研究所」のジャム。
私も長年愛用しているオーバル皿は、
リムが広めで、ちょうどいい深さで、
パスタでも、中華風の炒めものでも、冷奴1切れでも、なんでも似合います。

おへそ通販はすでに始まっています。

ぜひチェックしてみてくださいね〜。

今回も盛りだくさん!
今回、原稿を書くのに、本当に苦労しました。
なんだかみ〜んな内容が濃くて、私自身が噛み砕き、消化するのに
時間がかかったから。

苦労したからこそ、みなさんにじっくり読んでいただけたらと思います。

「暮らしのおへそ vol41」
明日、1月30日(金)発売です。
(地域によっては、本屋さんに並ぶ日にちが少しずれるかもしれません)
amazonでは、予約が始まっています。
よかったら手に取ってみてくださいね〜。

みなさま、今日もいい1日を!

 


一田憲子ブログ「日々のこと」一覧へ