今年の目標は、自分を消して耳を澄ますこと

みなさま、あけましておめでとうございます。

新年をどんな風にお迎えでしょうか?
いつも、この「外の音、内の香」を読んでいただいて本当にありがとうございます。

今年の目標は、
自分の姿を小さくして、耳を澄ますこと。

これまでずっと
しっかりしなくちゃ、自分らしくいなくちゃ、
私にしか書けないことを見つけなくちゃ
と、揺るぎない自分をしっかりと立てて、
自分の目で世の中を見られるようになりたいと、突っ走ってきました。

でも、昨年、そんな自分が返って邪魔になることもある、と学びました。
とあるインタビューで、
私が聞きたいことと、取材相手が答えられることが
まったく噛み合わずに、時間切れになり
「う〜ん、何も聞き出せなかった」と落ち込みました。
家に帰ってからも、ずっと「何がいけなかったんだろう?」と
ぐるぐると考え続けました。

そして、ふと気づいたのでした。
私は、全然「聞けていなかった」んだって。

私は私のやり方で、その人を理解しようとしていました。
たとえば……。
私は、自分に自信がないから、
どうやって自信が持てるようになったのか、そのプロセスを知りたい!と思います。
でも、自信なんて今でも持っていない。
自信を持ったから、前に進んで来れたわけじゃない、とその方は語ります。

人の考え方はそれぞれ。
すべてが「私」と同じ思考回路で進んでいくわけではありません。

その時、ああ、私は一旦自分を脱ぎ去って、
相手に心を重ね、
自分と違うものに共鳴しようとする態度が必要だったのかもしれない……。
と思ったのでした。

この経験は大きな気づきとなりました。
今まで、自分の意見や自分らしさをしっかり持とうとしすぎて、
自分と違うもの、理解できないことをスルーしたり、
切り捨ててきたように思います。

こんな音楽は私の気分には合わない。
こんな小説は苦手だ。
この人は、ちょっと私とは違うから仲良くなれない……。

そんなジャッジを一旦捨てて
「そうか、そんなこともあるんですね!」と
すべてを肯定することから始めてみたいなと今、思っています。

それは、インタビューの場だけでなく、
日常でこそ大切なことなのかも。
夫が、一緒に仕事をするスタッフが、友達が、言ったひとことに
「う〜ん、ちょっと違うんだよなあ」と思っても、
一旦その言葉を受け取ってみる。
受け取った上で、「それはどういう意味?」と問いかけてみたら、
相手の言葉の裏に、
今までならスルーしてしまっていた
大切な本音や、その人がそう思うに至ったその人だけの時間がつながっているかもしれません。

今年はそんな「違い」の奥にある何かを
掘り起こす1年にできたらなあと思います。

自分を強く持つことだけがいいことじゃない。
ひたすら、自分軸を鍛えようと走り続けてきた今だからこそ、
そんな自分を今度は壊したり、小さくしたり、消したりしながら、
自分とは違う人やものやことの奥にある何かを
探ってみたいなあと思います。

今年も、日々の中の小さなできごとをすくいあげ、
見つけたこと、気づいたことを綴っていけたらと思います。

みなさんの暮らしの中に、このサイトを訪れていただく時間を
組み込んでいただけたらとても嬉しく思います。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 


一田憲子ブログ「日々のこと」一覧へ