「やめる」って、お腹の中の本当の自分とつながること

せとか、デコポン、はっさく。
スーパーの果物売り場には、柑橘の種類がどんどん増えてきました。
これからの時期、少しずつ変わっていくみかんをいただくのが楽しみです。

昨日は、青山ブックセンターで
伊藤まさこさんをゲストに迎えての「父のコートと母の杖」のトークイベントでした。
100名のみなさんにお越しいただき、本当にありがとうございました。
このことはまた改めて書きますね。

さて……。
何かを始めることより、何かをやめることの方が、ずっと難しいなあと感じるこのごろ。
ずっと当たり前に続けてきた仕事の担当だけれど、
もう私がやらなくてもいい気がする……。
とか
ずっと当たり前に誘われたら参加していたランチ会だけれど
その時間を自分のために使ったら、
もっと心が豊かなひとときになりそうな気がする……
とか。

ただし、からなずその裏側には、「でも……」が繋がっていて、
「でも、この担当を辞めて次の人に手渡すのは、なんだか寂しい」
とか
「でも、ランチ会に参加しないと、みんなの話題についていけなくなるかもしれない」
とか……。

そんなふたつの葛藤があるとき、
大抵がもう心は決まっているんですよね〜。
「やめた方がいい」って。
でも、その勇気がなかなか持てないだよなあ〜。
そう思っていたとき、
「暮らしのおへそ」の取材で熊本県南阿蘇にあるセレクトショップ「robin ASO」さんに伺いました。
緑豊かな素晴らしい環境にあるお店は、
エントランスを歩いていくだけでワクワク!

愛ちゃんと私の真ん中に立っているのが、オーナーの土持加奈子さん。
取材中に話してくれたのが、まさに「やめる」というお話しでした。

東京のファッション業界で働いてきた土持さんご夫妻。
14年前に熊本に移住し、お店をオープンさせました。
センスのいいセレクトで、たちまちお店は評判に。
たくさんのお客様が来てくれる人気店になったそう。

でも……。
「なんだかもやもやするようになったんです」
と加奈子さん。

都心では、次々にシーズンの新作が発表され、
いいなと思ったアイテムも、次のシーズンにはもう買うことができない……。

阿蘇の山の中で、湧水を汲みに行ったり、採れたての野菜を買いに行ったりするうちに
もう少し長いスパンでおしゃれを楽しめないか……と
思うようになったそうです。

そこで、2〜3年前から仕入れの仕方を変えて、
展示会でそのシーズンイチオシという商品ではなく、
自分たちが好きなもの、長く着たいものを選ぶようになったそう。
「消費されないおしゃれを提案したいんです」
と語られたご夫妻の言葉が印象的でした。

そして、今までのやり方を「やめた」おふたりの姿が
なんだかとっても清々しかったのです。

すごいなあ〜、「やめる」って!
と思いました。
「やめる」って、自分のお腹の奥底にある、本当の自分とつながるってことなのかも。
決断するまで時間がかかるかもしれないし、
あれこれ悩むかもしれないけれど、
思い切って「えいっ」とやめた時、
余計な力がすべて消え去って、
本当に大事なものと繋がれるのかもしれないなあと思いました。

私も、もやもやしながら続けていることってあるよなあ〜。
それを見直して、どれとどれが本当に必要で、
どれが今の私にとって必要でないのか、
見極めてみたくなりました。

そんな「robin ASO」さんには、土持夫妻が「本当に大好き」と選んだものだけが
そろっています。
特に上の写真で加奈子さんがはいていらっしゃる
オニール オブ ダブリン」のキルトスカートがおすすめ。
「流行に左右されず、その人の人生に寄り添ってくれる1枚です」と加奈子さん。
オンラインでも購入できるので、よかったら見てみてくださいね〜。

では、今日もいい1日を!

 

 


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