夜が明けるのがどんどん遅くなっています。
この後、冬至までの1週間は、1年でいちばん夜が長い日々。
でも、赤く染まるほんの少し前の
しんと青白く広がる空も、私は大好きです。
みなさま、いかがお過ごしでしょうか?
このごろ疲れが取れにくくなったなあとしみじみ感じます。
特に出張の時。
以前は、原稿入稿までがギリギリなのを、
自分のスケジュールを詰め込むことで、なんとか間に合わせる……
という力技で仕事を乗り切っておりました。
でも、最近では出張と出張の間が近いと
疲れがどんどん溜まり、回復できなくなってきた……。
すると、喉が痛くなったり、咳が出たり、風邪をひいたり。
今も、1か月以上ひいた風邪の咳がなかなか抜けなくて、
夜になるとゲホゲホ言っています。
大阪のイベントの際、知り合いがそんな私の状態を心配して、
「ラベイユ」のはちみつとラズベリーの飴を持ってきてくれました。
優しいなあ〜。
これから先は、そんな自分の体をちゃんと理解して、
取材に行ったらちゃんと休む。
そんなスケジューリングをしなくちゃなあと思っています。
が!
こんな出張と出張の間でも、
原稿の締め切りに追われているときも
テニスだけは休まなかったワタクシ……。
体は疲れても、忙しい頭を一旦空っぽにできる。
そんなテニスは今の私にとってなくてはならない時間となりました。
そして、最近、ちょっと面白い練習をしています。
テニスは、「いい場所に行く」「いいスイングをする」がセットになって
初めてラリーが上手くいく、と言われています。
この「いい場所に行く」というのがなかなかできない……。
つい「いいスイングをする」=どうラケットを振って、どうボールに当てるかばかりに必死になってしまいます。
けれど、「いい場所」に行けていないと、
結局ボールに近づきすぎたり、遠すぎたりして、いいスイングができない……。
そこで、コーチが考えてくれたのが、
コートを6分割して、1、2、3、4、5、6と場所に名前をつけること。
その上で、コーチが球出しをしてくれたら、
そのボールがネットを超える前に
どこに落ちるかを予測して「イチ!」と大きな声で言ってから
その場所に言ってボールを打つのです。
「イチ〜!」「サン!」「え〜っとヨン!」「じゃなくてサン!」
と、側から見たら、「あの人なにしてんの?」と言われるような練習を続けておりました。
最初は「え〜、そんなことで上手くなる?」
と半信半疑だったのですが……。
この練習をしばらくやった後に、
ラリーや試合をやってみると、あら不思議!
以前より、「どこに落ちるか」を予測して、動けるようになっているではないですか!
つまり、「いい場所に行く」という認知が、
「場所に行こう」と頭で考えるだけではできないけれど、
落ちる場所の番号を声に出して言う。
ということで、できるようになるってこと。
さすが、コーチ! すご!
そして、このことってテニス以外にも言えるなあと思ったのでした。
私たちは、目の前のことを認知しようとしても、なかなかそれができません。
でも、ちょっと離れて、まったく違う角度から
それを見てみたら、「ああ、そういうことか!」とわかったりする……。
たとえば「何を書こう?」と考えて
パソコンの前に座ってだけいると、その答えはなかなかわからないけれど、
誰かに会って話を聞いたり、散歩して空を見上げたりしながら、
自分の考えに思いを巡らせているうちに
「あ〜、そうか! あれとこれが繋がってこうなるんだ」と何かが見えてきて
「そのプロセスを書こう!」と答えが見つかったりします。
夕飯の支度をするために、キッチンに立っていると、
「どうして忙しいのに私ばっかり」
と思うけれど、夕方街を歩いていて、どこからか肉じゃがの匂いがしてきたら
「ああ、家庭のご飯ってこういうことなんだよね〜」と改めて思ったりします。
仕事での人間関係が鬱陶しくて、「は〜」とため息をつくけれど
ちょっと落ち込んだときに、同僚が声をかけてくれて
「ああ、仲間っていいな」と改めて感じることもあります。
「そこ」にずっといるとわからない。
でも、場所や思考をずらしてみると、見えてくることがある……。
「イチ〜!」「ニ〜!じゃなくて、サン!」
叫んでボールを追いかけながら、
「認知」について、改めて考えた日々でした。
今日も寒くなるようです。
みなさま、どうぞお気をつけて。
今日もいい1日を〜。