竹内まりやさんが教えてくれた MOR=ミドルオブザロードという在り方

東京は朝から雨です。
あっという間に10月も終わりますね。
上の写真は昨日の朝。
落ち葉が舞って、冬の足音が聞こえてきました。
みなさま、いかがお過ごしでしょうか?

この週末は、オカズデザインさんのアトリエ「カモシカ」で開催されていた「豆々展」へ。
彗星菓子手製所さんの「 豆々茶会」に参加してきました。

小さな豆皿あれこれを使ったお菓子の美しいこと、可愛らしいこと!
すっかり心満たされました。

さて……。
先日、NHKで放送された竹内まりやさんの特番を見ました。
ご覧になった方も多いのでは?

今、まりやさんの「プラスチックラブ」が、世界各国で若いミュージシャンたちが
カバーしたりと、リバイバルヒット中なのだとか。

いや〜、いい番組だったなあ。
まりやさんの「不思議なピーチパイ」が大ヒットになった1980年。
私は高校生でした。
「か〜くしきれない〜、気分はピーチパーイ」
というフレーズは体の中に染み込んでいます。

デビューしてすぐに人気者になったのに、
まりやさんは、歌以外の仕事に忙殺されるのがつらくて、活動を休止してしまいます。
山下達郎さんと結婚。出産。
薬師丸ひろ子さんの「元気を出して」や、河合奈保子さんの「けんかをやめて」など、作詞家、作曲家として活躍されるように。
そして、10年経った頃、やっとご自身が作った歌を自分で歌ったアルバムを発表されました。
それが「 QUIET LIFE」。
「家へ帰ろう スイートマイホーム」や「告白」「シングルアゲイン」などが入ったこのアルバムを
私は擦り切れるほど聞いたなあ〜。

この時のことを番組でまりやさんが語っていらっしゃいました。
テレビに出なくても、音楽を発表するだけでも、こんなにもたくさんの人が聞いてくれる。
暮らしの中で曲を作り、暮らしと地続きになった中で仕事ができるなら
続けていけるかもしれないと思った……と。

いや〜、強いなあ〜と思いました。
厳しい音楽業界の中で、「外」に自分を合わせるのではなく、
自分のままで生きる……。
もちろん、それはものすご〜い才能を持っていらっしゃるからできたこと
ではあるのだろうけれど、
逆を言えば「自分のままでしかできない」を貫いたからこそ、
才能を輝かせることができたのかも……。

もうひとつ。
すご〜く感動したエピソードがありました。
それが「MOR=ミドルオブザロード」という考え方。

「音楽は聴かれてなんぼ」と語ったまりやさん。
「つい、ポピュラーじゃなくて、かっこいいことを目指す気持ちがちょっとあるんです」
ともおっしゃっておりました。

「売れなくてもいいから、自分のかっこいいと思う音楽を目指す」のか
「みんなに聴いてもらえる、売れる音楽を目指す」のか……。

そんな「中庸を音楽を目指すってたいへん」
と正直に語られていた姿に感動してしまいました。

そして最後にこんなふうに語られました。
「あらゆる人に対して接点がもてる何かを探していきたい」。

すごいなあ〜。
私は、まりやさんは売れるか売れないかなんて、考えもせず
自由に曲を作っていらっしゃるのかと思っていました。
でも、ちゃんと「誰かに届けること」を考えていらっしゃった……。

さらに、「自分のまんま」で音楽ができる環境を選んだからこそ
日常の生活で感じたこと、考えたことが、そのまま曲に結びつきます。

だからここ数年まりやさんが出された曲は
歳を重ねていくこと、や命をつなげることなど
ご自身の年齢や暮らしの中からぽろりとこぼれ落ちたと感じられる曲ばかり……。

ありのままの自分でいること。
その自分で誰かに何かを届けること。
諦めなければ、この2つは両立するのだと、教えていただいた気がしました。

NHKプラスで31日まで見られます。

みなさま、今日もいい1日を


一田憲子ブログ「日々のこと」一覧へ