両親の時間の中へ

24日(水)から、阪急うめだ本店で「大人になったら着たい服」のイベントがあるため、
ひと足早く、母の手伝いをするために実家に戻りました。
関西の空は、ドラマティックな曇り空です。

みなさま、いかがお過ごしですか?

コロナ禍になって、
イベントや取材の時に、実家に泊まるのを控えていました。
もういいかな……と思いつつも、
実際に、取材時に一緒だったスタッフや取材をさせていただいた方が
コロナにかかって肝を冷やしたことが何度かあり、
実家に帰るなら、
人にたくさん接触する、取材&イベント前に、ということにしています。

でも、実は今回はもう実家には寄らなくていいかな……と思っていたのです。
イベントで1週間近く家を空けるとなると
他の仕事が立て込むし、バタバタするし……。

ところが………。
数週間前、父が胸にしこりがあると言い出し、
近所の主治医に診てもらったら、大きな病院を紹介され……
という事件が起こりました。
「しこり? ガンかな?
90歳過ぎなのに、神様、手術や痛くて辛い思いはもう勘弁してよ」
と随分心配しました。
結局は、悪いものではなく、ほっと胸を撫で下ろしたのですが、
その時、「ああ、最近2人が元気そうだと安心していたけれど、
やっぱりこまめに帰らなくちゃ」
と改めて思ったのでした。

帰ったら、母が昼ごはんにカレー炒飯を作ってくれました。おいし〜!

 

そうだった!
できれば、2か月に1度は帰って、手伝いをしたり、話をしたりしよう、って
決めたんだったよなあ〜と思い出しました。

何にも起こらず、電話しても元気そうで……
と心配事がなくなると、つい自分の都合のいいようにジャッジしてしまって
「大丈夫」って思い込んでいたんだなあと気づいた次第。

少し前まで、「今回は、忙しいしもう帰らないでおくわ」と電話で母に告げていました。
母は「いいよ、いいよ。そっちの仕事を優先して」
と言っておりました。

でも、帰ってみると、「手伝って欲しいことがあって」と母。
昨日は、冬物の毛布を押し入れにしまい、夏用のブランケットを取り出したり、
冬物と夏物のパジャマを入れ替えたり。
押し入れって、奥が深いので、母の力での出し入れは大変なのでした。

「いいよ、いいよって言ってたのに、
やっぱり、困ることいろいろあるじゃん!」
と心の中で呟きながら、作業を手伝いました。

生活の中には、人に頼むまでのことじゃない、という「ささいな用事」が
たくさんあります。
でも、老いた体では、その「ささいな」ことができなくなってくる……。
それは、遠くにいて電話で話すだけでは、見えてこなくて、
そばにいて、一緒にご飯を食べ、一緒に片付けていてこそ
ついでに手伝うことができます。

東京からのお土産は、シトラスのパウンドケーキと、とらやの羊羹

ご飯を食べた後に、
お茶を淹れて、お菓子を食べながら、
二人のしゃべること! しゃべること!

「明日は駅前の最近見つけた店にランチ食べに行こうや」
と父。

こんないたって普通の日常を一緒に過ごせることが、
しあわせだなあ〜と改めて思いました。

私がドタバタと動き回っている時間のすぐ横に
淡々とした両親の時間が流れている……。
意識しないと、それはずっと並行線のままで、
「ちょっと帰ろかな」という小さなアクションで交わります。
そのことを、忘れないでいたいなあと思う、実家での朝のひとときです。

みなさま、今日もいい1日を!


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