評価を気にしない唯一の方法は「夢中」という落とし穴に落ちてみること

なんだか寒くて、我が家では、一旦しまいかけたガスストーブを
また引っ張り出しています。
みなさま、いかがお過ごしでしょうか?

昨日は、たまたま夫が家いたので
夕方から、散り際の桜を見に、近所にお散歩に行ってきました。
午後4時頃から、ぶらぶら……。
日が暮れる、少し前のひんやりした空気の中、
少しずつ葉桜になりつつあるけれど、
まだまだきれいな桜並木を見上げました。

こういう時間を「しあわせだな〜」と感じられるようになったのは、
歳を重ねたからでしょうか?

そろそろセーターも着なくなったな、
と洗濯に取り掛かりました。
我が家では、カシミアのセーターでも、ネットに入れて
カシミア用の液体洗剤を使って、洗濯機で洗います。
干すときにも、本来は平干しにしなくてはいけないんでしょうが、
ハンガーにかけて。

しまうのに、防虫カバーなどをかけないといけないので、
今は、取り込んだだけでスタンバイ中です。

春のようだけれど、冬の名残もある……。
3〜4月って、そんな月。
5月の足音が聞こえてきたら、ようやく衣替えの気分になってきますね。

さて……。
先日、定期的に拝読している為末大さんの「note」にとてもいいことが書いてあったので
ご紹介します。

タイトルは「評価されることから逃れたくても逃れられないこの社会で生きていくには」
でした。

「長文ファンのみなさま、おはようございます」
為末さんの「note」は、いつもこの一文から始まります。

「人の目を気にしない方がいい」とか
「人の評価ではなく、自分軸で」と、よくいいますが、
やっぱり、仕事を終えれば、それがどうだったかは気になるし、
隣の人が私のことをどう思っているかを、つい気にしてしまいます。

そんな「評価」について、為末さんらしい分析をしていらっしゃいました。

普通であれば評価者に評価されるように振る舞うことが、
人生をより豊かにしていきますが、ここに一つ課題があります。
それは評価者のレベルを超えた行為を評価者は評価できないという点です。

なまじ評価者に合わせようとしてしまったせいで、能力が開花されないこともあります。
さらに人生では評価者が入れ替わっていき、最終的に自分の人生の評価をするのは自分ということになります。
あまり無防備に評価者に合わせていると、人生の終盤でしっぺ返しを喰らいます。

でも、ここで「評価って手放す方がいいもの」と語らないのが、為末さんらしさ。

しかし評価から逃れ続けていくと、自分自身は常に評価にさらされる位置から逃げ続けることにもなりかねません。
場末のバーで、資本主義や、世間や、権威に文句を言いながら生きていくこともできますが、
それが寂しいと感じるならやはり評価の世界に身を置かなければなりません。

こうやって、より広い視点で、
ふたつの相反する立ち位置を冷静に見つめられるのがすごいなあ〜。

だったら、「評価」とどう向き合えばいいのか。

最後の結論に、私はズッキュ〜ンとやられてしまいました。

大人になって一番苦しむのが、ずっと評価者を意識して評価されるように振る舞ってきたので、
評価がない空間では何に向かって生きていいかわからない、というパターンです。
そんな時に私は夢中を進めます。
少なくとも夢中の瞬間には評価者が不在になります。

「夢中の瞬間には評価者が不在になる」
なるほど〜!
とうなりました。

私は、何度もここにかいているとおり、優等生体質なので、
ついつい人の目を気にして、
みんなに「イチダさん、すごいねえ〜」と言って欲しくなります。

でも、
テニスを始めて、それに夢中になってからは、
原稿の締め切りがある日でも、レッスンに通うようになった!

「夢中」には、そんななにもかもを振り切る力があるのかも……。

とは言っても、「夢中になれるものってなに?」
という問題もあります。
私も若い人から「何が好きなのかがわかりません」と相談されることがあります。

ひとつ言えるのは
私が「暮らしのおへそ」を立ち上げた時は、1冊だけのムックのつもりで、
19年間も夢中に作り続けるとは思ってもいませんでした。

テニスも、「仕事ばかりしているから、他にもうひとつ軸を持った方がいいよ」
とアドバイスをされたから、行ってみただけで
こんなに一生懸命打ち込むことになろうとは思ってもみませんでした。

つまり、「夢中」って、
「これに夢中になろう!」と決めて始めるものではなく、
知らず知らずのうちに「夢中」になっているってこと。

だったら、とにかくやってみるしかない!
こっちの道に「夢中」という落とし穴があるのか?
それとも、あっちの道にあるのかは、
歩き出して、落ちてみないとわからないのです。

人生後半は、何かを成し遂げ評価を受けることより、
そんな愉快な「落とし穴」をいっぱい発見したいなあと思うこのごろです。

みなさんがはどんな落とし穴に落ちましたか?

 

今日もいい1日を。


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