「あっつ〜いですね〜」
という言葉がつい出てしまうこのごろ。
それでも朝はまだ風が気持ちよくて、
ウオーキング途中のプラタナスの木が、青空に向けて凛と立っている姿に惚れ惚れします。
みなさま、いかがお過ごしでしょうか？
さて。
昨日は、コロモチャヤ店主であり、シャツブランド「ホーチュニア・コダータ」デザイナーでもある
中臣美香さんが開かれた展示会に行ってまいりました。
さわやかな美香さんのロングシャツ姿。
この秋冬より、シャツの販売方法を変えて、
年に2回の展示会で、オーダー販売をされることになったそう。
2013年から始まったブランド。
何かを大きく変えるって、すごく勇気がいることだと思います。
だからこそ、美香さんの決意が、
何か新しい扉を開けるようで、
横で拝見しているだけで、こちらまでワクワクしてしまいました。
そして、今回新たに、ブランドのイメージを伝えたいと
モデルさんを使って撮影も。
展示会のご案内にも、その写真が入っていて、
今まで、ずっと見ていた美香さんのシャツが、
確かに変わらないんだけれど、まったく違うようにも見えて、驚いたのでした。
聞けば、今回初めてスタイリストさんに
「ホーチュニア・コダータ」のシャツを使ってのスタイリングを
プロのスタイリストさんにお願いし、
モデルさんを使って撮影をしたのだそう。
「私の作ったシャツが、こんなふうに見えるんだ！って、
新しい世界にびっくりして、とっても嬉しかったんです」と美香さん。
実は、美香さんはとっても素直で可愛らしい方だけど、
一方で、もっても頑固なことも、私はよ〜く知っています。（美香さん、ごめんなさい！笑）
だから、ご自身が手がけたシャツの世界観は、
美香さんが着るのがいちばんよく似合うし、
もし写真を撮るなら、誰かの手ではなく、自分の手でその世界をつくりたい……
と思われていたんじゃないかなあ。
それを、思い切ってスタイリストさんに託してみる……。
その結果、写真の中に立ち上がった姿は、
今までとはまったく違う、シャツの魅力を引き出してくれたよう……。
写真を撮影したのは、このサイトでもよく撮ってくれている
我らが近藤沙菜ちゃんです。
そんな話を美香さんとしながら、
自分がどんなに一生懸命頑張ってきたとしても、
それを「手放す」ことで、より豊かに育つ、ということがあるんだなあと改めて思いました。
私も、一生懸命「暮らしのおへそ」や「大人になったら着たい服」の原稿や
自分の書籍のためのエッセイを書くけれど、
できあがったその後は、なにもできません。
手にとってくださった方が、それぞれの暮らしの中へと持ち帰り、
読んでくださることを祈るだけ……。
そして、読んでいただいた方が、
それぞれの方の人生のタイミングで、いろんなふうに取り入れてくださることを
時々耳にすると、
「ああ、私の書いた一文が、誰かの暮らしの中で生き続けているんだなあ」
と実感できて、
本当にしみじみ嬉しくなります。
もし、それが、私の「こう書いたつもり」という意図と別のところにあっても、
それは、読み手それぞれの読み方があり、
それでいいんだよなあと思います。
世の中には、ままならないことがたくさんあって、
「こう思って頑張ったのに」とか
「こういうつもりだったのに」
と言いたくなることがたくさんあります。
仕事の評価しかり、子育てしかり……。
頑張って作ったら、たくさん売れて欲しいし、
愛情を込めて育てたら、幸せになって欲しい。
でも、自分ができるとことは一生懸命やるけれど、
どこかで思い切って、その手を離しちゃった方が、ずっとラクなのかも。
そして、手を離した後は、「へ〜、そうなるか〜」と
自分を消して眺めてみれば、
「どうして………」と下を向くことなく、
案外その事実を楽しめるのかもしれません。
ま、言うのは簡単で、
実際にその場でそこまで割り切って考えるのはなかなか難しいんですけど……。
見事に自分を手放して、
新しい「ホーチュニア・コダータ」の世界を手にした美香さんの
さっぱりと満たされた笑顔を見ていたら、
そんな力を信じたくなりました。
帰りにお土産にいただいた小さな袋は、シャツと同じ生地で、
「H」の文字と「ホーチュニア・コダータ」の意味するドクダミの花。
なんてかわいいんでしょう！
そして、中には………。
鳩のクッキーが！
これ、9月からオリジナルの箱に入れて販売が始まるそうです！
愛らしすぎて、食べることができません〜。笑
この展示会、どなたでも行くことができます。8月14日まで（８、9日は予約制）
詳しくはこちらから。
私は、シャツに合う、白いウールのベストを注文させていただきました。
みなさま、よかったらぜひ！
今日も暑くなりそうですね。
気をつけて、いい1日をお過ごしください〜。