鍋1個の前進を!

実家から戻り、朝のウオーキングへ。
酷暑の日々ですが、朝はまだ少し涼しくて、風が気持ちよかったです。
いつの間にか、いつもの道は蝉の大合唱が降ってくるようになりました。

あっつ〜いですね〜。
みなさま、いかがお過ごしでしょうか?

私は自宅へ戻り、今月中に書き上げなくてはいけない原稿に取り掛かっております。

さて……。
実家で父や母の姿を見ていて思うのは、
この人たちのマメさを、ど〜して私は受け継がなかったのだろうか?ってことです(笑)

これは父が、1週間分の薬を分類しているところ。
まあ、薬をたくさん飲んでいる方なら当たり前なのかもしれませんが、
病院で薬をもらったら、もらった袋のまま、
毎回そこから出して薬を飲む……というやり方しかしていない私にとって
ちまちまとしたこの作業を見ると、
「ひゃ〜。マメね〜!」と言いたくなります。

こちらは母。
毎朝、牛乳を温めて、インスタントコーヒーでホットのコーヒー牛乳つくる母。
砂糖をいっぱい入れて、あま〜くしたこの飲み物が意外においしくて、
実家に帰ったときには、私もご相伴にあずかります。

で、その牛乳を温めた鍋には、どうしても牛乳カスみたいなものがこびりつきます。
私なら、水を張っておき、そのままゴシゴシ洗うところですが、
母は、「それだとスポンジが汚れるし、排水溝にカスがこびりついて取りにくい」とおっしゃる。

で、水を張った鍋を手で擦り、カスが浮かんできたら、茶漉しで濾します。
そして、ある程度たまったら、茶漉しの内側をティッシュでぐいっと拭き取ると、
びっくりするぐらい、すっきり取れる!
これで、排水溝に流すカスはゼロになります。

「ほ〜〜!」と感心しましたが、
これを毎朝繰り返す、という真似は私にはできなさそうです……。

この他にも、アルミの鍋はすぐ汚れるから……と
煮物を作ったあとには、洗ってからさらに酢を垂らしてくるっと洗っておく。
とか、
そもそも、普通の洗い物でも、手が細やかなので、ちゃんときれいに洗う……。
だから、実家の食器は、私が子供の頃から使っているものも含めて
どれもピカピカです。

私は、この「ちゃんと」ができなくて、
てきと〜に洗うので、
すぐに、麦茶を冷やすボトルの内側が汚れてきたり、
カップの茶渋がついたり……。

母の暮らしの風景を見ると「ひとつひとつを丁寧に」と思い知らされますが、
なかなか見習うことができません。

先日、ファッションデザイナーの島田順子さんのインタビュー記事を読んでいたら

「私はもうこれができるから」と、
自分にピリオドを打ってはいけない。

とおっしゃっておりました。
82歳の島田さんが「私はもうこれができる!」ではなく、「私にはまだまだできることがある」
と新たな扉を開けようとされているなんて!

つい歳を重ねると、経験値があがって、いろんなことがラクになって、
それはそれでいいことだと思うのだけれど、
そこに「ピリオド」を打ってはいけないのだなあと、改めて思いました。

鍋の洗い方ひとつとっても、
「まだ、もっといいやり方あるかも」と工夫するだけで、
自分がちょっと進化します。

この歳になって、大きく進歩することは望まないけれど、
鍋レベルのちっちゃな前進を、「お〜!いいじゃん!」と楽しめる、
そんな歳の重ね方をしたいなあと思いました。

今日も暑くなりそうですね。
みなさま、気をつけてお過ごしください。


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