「ない」と思っていたものを「ある」にひっくり返す。

朝から真っ青な空が広がっています。
あっついですね〜。

九州では大雨が続いているのだとか。
みなさまのお住まいのあたりは大丈夫でしょうか?

夫がちょうど九州に所用で出かけて、ギリギリセーフで帰ってきました。
お土産は私の大好きな蜂楽饅頭。
もちろん白餡!
旅先でラップを買って、1つずつラップでくるみ、
ホテルで冷凍してもらい、持って帰ってきました。
マメ〜〜〜!笑

 

私は、週末もひたすら原稿を。
今、最後の山の細い道を登っている最中です。

さて……。
最近、朝掃除をしながら「経営中毒」というポッドキャストを聞いています。

ここでもたびたび紹介している「コテンラジオ」の深井龍之介さんと一緒に
かつて「A scope」というポッドキャスト番組をやっていらした
音声プロデューサーの野村高文さんが、
コンサルティング会社を営む徳田智史さんと「だれにも言えない社長の孤独」について
語り合う番組です。

まだ聞き始めたばかりなのですが、
会社を立ち上げて、「社長」になったときの苦労を語られていて、
ひゃ〜、ほんとに大変なんだなあ〜!と驚きます。

志を持って、綿密に計画し、「きっとうまくいくはず」と信じながら
会社を立ち上げても、
大抵がうまくいかなくて、
2〜3か月したら、出ていくお金は膨大なのに、ちっとも仕事が回り始めなくて、
やがて資金がショートし、
月末になるたびに、「絶対足りない」という状態になっていく……。
さらには、人もついてこなくなって、孤独になっていく……。

想像しただけで、胸が痛くなって、ドキドキしてきます。
そんな苦しい時、どうやってモチベーションを保つか……。

それの方法はただひとつ
「どうして、私はこの会社をやりたいと思ったのか」
という「いちばん最初の気持ち」に戻ることなのだそう。

徳田さんは、幼い頃、お父様の仕事の関係で海外で生活されていたそう。
ケニアの山奥の村で見たのは、教育機会のない人。
構造的に、そんな人はいい仕事ができない。
「しくみ」がそうなっていて、そこから「外」に出ることができない……。

そんな体験を経て、「人の可能性を最大化する」ための仕事をしたいと考えたのだと言います。

本当に経営がしんどいとき、
そんな創業者の「いちばんはじめの物語」こそが、力となってくれる……。

こんな大変なことばかりだけれど、「それでも」と頑張れるのは、
自分の原点に戻ること……。
そして、そんな不安定な会社でも
「この人についていこう」と人が集まるのは、
創業者のそんな「想い」に共感するからだと。

この番組の面白いところは、
野村さんの質問力です。
Newpicksから独立されて、フリーランスの音声プロデューサーなられた野村さん。
きっと、野村さんご本人が聞きたいんだろうな、と思うような
本音に迫る質問をずばりとされています。

「原体験がない、っていう人もいますよね?」
「原体験がないと、創業できないってことですかね?」
とズバリ!

それに対する徳田さんの答えが、これまた深かった……。

「原体験があるかないか、ではなくて、それをどう捉えてるかということだと思います」と。

社長になろうとしている人だけでなく、
みんな、何かしらの経験はしているはず。
それを、どう「意味づけ」するかが大事。

同じ経験をしていても、それを「どうとらえるか」で変わってくると……。

だから「『私には原体験がある』とか、『ない』とかではなく、
自分の人生を振り返って、やっぱりこれが大事だな、という種を探して、
それを掘り出すことが大事ですよね」と語っていらっしゃいました。

 

夫が買ってきてくれた蜂楽饅頭。白花豆を使ったという白餡が大好きです。

 

なるほどなあ〜と納得しました。

人はいろんな体験をします。
その体験が、自分を支える宝物になるか、
忘れ去られて、記憶の底に沈んだままになるか……。

それは、体験した後の「意味付け」による……。

「あのことは、きっとこういうことだったんだ」
と考え、分析し、そこから自分にとっての真実を引っ張り出す……。
そうすると、その真実は、決して色褪せず、自分の足元の石ころのひとつになって、
その道を支えてくれるんだなあと思ったのでした。

そして、「意味付け」しておけば、最初の「意味付けA」と
新たな体験をして、それをまた意味付けた、「意味付けB」がリンクして、
より太い柱として、育っていくのかもしれません。

私は、そうやって体験を「意味付け」るために、書いているのかもなあと思いました。

「私の中に、そんな輝かしい物語なんてない」と思っているときに、
今までの体験を掘り起こし、磨いてみれば、
キラキラ光る物語になって、
これからの私を支えてくれる……
と思ったら、なんだかワクワクしてきます。

「ない」と思い込んでいたのに、「確かにある」にひっくり返すことができる……。
スコップを持って、自分の中に降りて行きたくなりました。

みなさま、今日もいい1日を。

 

 

「暮らしのおへそラジオ」第31回が昨夜より配信されています。
こちらもよかった聞いてみてくださいね〜。

 


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