昨日は、拙著「明日を変えるならスポンジから」をお取り扱いいただいている書店さんに
ご挨拶回りに行ってきました。
写真は、「ジュンク堂池袋本店」です。
「暮らしのおへそ」と並べて置いてくださっていて嬉しい〜!
書店では、本棚の「どこ」に置いていただくかで、お客様に目を留めてもらえるか、
通り過ぎてしまうかが決まります。
実は、おへそのような「雑誌」と、「書籍」は担当者が違う場合が多く、
こんな風に並べて置いていただけることは少ないのです。
本当にありがたい!
感謝いたします。
待ち合わせ時間より、早めについた私は、久しぶりに書店内をゆっくり見て回りました。
やっぱり本屋さんって楽しいですね〜。
amazonで簡単に買えるけれど、「目的」じゃない本と出会えるのは本屋さんならでは。
ついつい3〜4冊買ってしまいました。(その後、書店周りだったのに、重くて大変でした。笑)
それにしても、本屋さんに行くと、膨大な量の本があり、
自分の本の「ちっぽけさ」に打ちのめされる気がします。
ファッション、文学、経済、手芸、料理……。
いろんなジャンルでいろんな本が出ていて、
いつもは、私の「全て」である「暮らし周り」というテーマが、
世の中的には、小指の先ほどの狭い狭い世界であることを思い知らされます。
私なんて、本を出す意味あるのかしら……なんて思ってみたり……。
そんな帰り道、たまたま読んでいた小説が、笹本稜平さんの「分水嶺」。
この本は、急逝した父の遺志を継ぎ、山岳写真家として生きることを誓う風間健介が、
絶滅したはずのオオカミを追う田沢と出会い、彼の人間性に惹かれていく……というお話。
その中に「人生は奈落の綱渡りだ」という大きなテーマが出てきます。
足元に、ぽっかり「不安」という「奈落」が見えることがある。
それに見入ってしまうともうおしまい。
進むためには、「奈落」を見ずに、前を向くしかない。
「綱」を信じて足を進めるしかない。
人には、それぞれ「奈落を渡る」ための綱がある。
それを見つけられるかどうか、それを信じられるかどうかが、唯一の方法なのだと……。
本当にそうだな〜と思いました。
私にとって、世の中に数え切れないほど出回っている「本」の世界が、
「見えない奈落」。
「この奈落、どこまで続いているのだろう?」と下を向いてしまうと、怖くて渡れなくなってしまう……。
今足元にある「綱」を信じて一歩踏み出すしかない。
やっぱり私は、「スポンジ」や「おへそ」を信じて前に進むしかない……
と思ったのでした。
そして、こんな風に、小説の中のたった1文で、考えたり、救われたり、ワクワクしたりする……。
大御所小説家の足元にも及ばないけれど、私も誰かに「ああ、読んで良かった」
と思ってもらえる文章を書いていきたい、と思ったのでした。
いつもとは、違う世界に触れると、考えることが沢山あります。
一番上の写真は、「明日を変えるならスポンジから」の中で、
かえるちゃんこと、松本朱希子さんが紹介してくれた木下宝さんの作品です。
先日、世田谷の「夏椿」さんで、個展があったので、さっそく行って買い求めてきました。
宝さんのグラスは、本当に美しくて、ため息が出ます。
このステムが短いグラスなら、我が家のような座卓での食事の際にも似合いそう。
カルパッチョでも作って、白ワインをいただこうと思います。
今週末の「ハオス&テラス」3Fでの、新刊発売イベントでは、
かえるちゃんのカステラも販売させていただきます。
今、あれこれ絶賛準備中。
販売を自分でするなんて、初めてのことなので、
釣り銭を用意したり、紙袋を買いに行ったりと、大わらわです。
みなさん、遊びに来てくださいね〜!