忙しいのにごめんね、と母は言う

昨夜はすごい地震でしたね。
私はすでに寝ていたのですが、夫に起こされ思わずパジャマのまま庭に出ました。
幸い揺れはおさまりましたが停電!
テレビもパソコンも使えず、スマホもアクセスが集中していたのでしょうか?
しばらく動かずに、非常事態用に買っておいたラジオをつけ、キャンドルを灯してしばらく過ごしました。

みなさまのお住まいの周辺は大丈夫だったでしょうか?
くれぐれもお気をつけてお過ごしくださいね。

さて。
先日実家の父から電話がかかってきました。
「あのさ〜、インターネットが急につながらなくなったんだよねえ〜」
え〜!
90歳でほとんど家から出ることのない父にとって、
ネットサーフィンやメールがいちばんのお楽しみなのです。

「電話はつながってるの?」と聞くと
「そりゃ〜、つながってるさ。どれ? あれ? なんの音もしない。
電話もつながっとらんわ」と父。

じゃあ、NTTに連絡してみたら? と電話を切りました。

しばらくすると、また電話が。
「あのさあ、NTTの電話番号がわからんのよ。
代表の番号に電話してみたら、音声案内で、1とか2を押せっていうんだけど、
携帯って、どうやったら番号押せるんかの?」

う〜ん……。
じゃあ、私がかけてみると。と引き取ってネットで検索すると、
確かに最近では、直接トラブルを解決する電話番号って公開されていないのですね〜。

で、あっちにかけて、音声案内であれこれ押して、
やっと繋がりました。
「実家の電話が……」というと、「どんな契約ですか?」とのこと。
両親はそれもわかっていない……。
電話番号で検索してもらったら、「NTTのご契約ではないですね」ですって!

あれ〜!
で、また実家に電話して、調べたら契約は「NTTコミュニケーションズ」でした。
NTTとNTTコミュニケーションズが違うなんて、私も初めて知りました。

で、あれこれまた電話して、
やっと、修理会社から翌日になるけれど、父の携帯へ電話を入れてもらうよう手配。
これだけで、2時間ほどが経っていました。
あ〜、つかれた。

で、この話にはまだ続きがありまして……。
夕方ごろ、また父から電話。
「あのさ〜、いろいろいじっていたらさ〜、電話が通じたんよ」
え! どういうこと?
「わからんのだけどさ〜、インターネットもなおったんよ」
は? あのドタバタはなんだったの〜!

ま、いいか。
ちゃんと通じて元どおりになったんだから……。

ここで母に電話をかわり
「忙しいのに、ずいぶん時間を使わせたんでしょう? ごめんねえ」と。

いいよ、いいよ、と私。

そこでまた父に変わり

「いあや、よかったよ。いろいろありがと〜!」

で、夜、またまた母から電話が……。
ネットで買い物ができない両親。
野菜の保存袋が欲しい、というので、私がアマゾンから実家に送るように手配していたのですが、
それが届いた、との連絡でした。

「はやく届いて助かったわ。ごめんね、忙しいのに」と母。

そこで、また父に変わり
「いや〜、ネットが使えてよかったわ。ほんとありがとね〜」と父。

この1日のやりとりで、気づいたことがあります。
それが父と母の言葉の使い方の違いでした。

何か頼んだ後に、母が言うのはいつも「ごめんね〜」
父は「ありがと〜」(関西イントネーションで、「と〜」の音が上がる)

私がペシミストなのは母に似たからで、
私も、誰かに何かをお願いしたとき、「お忙しいのにすみません〜」と言いがちです。

でも、今回のことで、父のようにあっけらかんと「ありがと〜」と言った方が
明るくて、気持ちいいなあ〜って思ったのでした。

悪いって、縮こまられるより、
あんなに何度も連絡してきたくせに、ころっと直ったら、嬉しそうに「ありがと〜!」っていう父の方が
なんだか、愉快だぞ!って思っちゃったのです。

今まで、無意識に「ごめんなさい」「すみません」って言ってきた気がするけれど
これからは、何かをしてもらったら、明るい笑顔で「ありがと〜!」って言えるようになりたいなあと
思った、長い1日でした。

みなさま、今日もいい1日を。


一田憲子ブログ「日々のこと」一覧へ