メンタルブロックをはずすって?

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facebookでは、ときどき面白そうな記事の紹介が流れてきます。
先日見つけたのは、Forbesの記事。
フロードウェイで活躍する女優、由水南(ゆうすい・みなみ)さんのインタビューでした。

ブロードウェイではアジア人はアジア人役にしかキャスティングされない、
という壁を破って活躍されているのだとか。

オーディションの時には
「周りと自分を比較しながら競争ルールに巻き込まれていくのではなく、
逆転の発想ができるゲームチェンジャーとして、
自分ならではの個性を追求することに専念しました」
という言葉に深く納得。

そして、夢を叶えるために3つの戦略を立てたそうなのですが、
そのひとつめを読んで、なるほど〜!と膝を打ちました。

それが、
「俳優は稼げず苦労するというメンタルブロックをはずす」ということだったそう。
10年後、20年後という長期的なビジョンを鮮明に描き、そこから逆算して
1年後、2年後という近い未来には何を達成し、いくら稼ぐべきかを考え
経済的に自立した自己イメージとビジネスマインドを強化していったのだと言います。

 

すごいなあ〜。
つまりは「ブロードウェイで、日本人でも舞台に立てて、きっと稼げるようになる」
と自分を信じるということ。
まずは、自分が自分でかけていたブレーキから足を外してみるということ……。
この言葉に、なんだか自分の上の空が広くなったような気がしました。

ちょうど同じ頃、
以前「暮らしのおへそvol.27」で取材させていただいた植松努さんが
「思考の単純化は危険」というタイトルでブログを書いていらっしゃいました。
(一番上の写真は、取材で植松さんの会社を訪れた時に、ワークショップで
一緒に作って大空に飛ばしたロケット。私の宝物です)

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下記、植松さんのブログより。
商品が売れない時、「高いからだ」と考えるのは簡単です。
で、安くしたら売れるかもしれません。
そう考えたお店が他にもあって、もっと安くしてたら、
こっちの商品が売れなくなります。
だから、もっと安くするために、仕入先と交渉して、もっと安く仕入れます。
それを安く売ります。
この先には、何が待っているかというと、
まず、作ってくれてる会社がつぶれます。
自分の会社の利益率も低下します。(中略)
だから、自分の会社もつぶれる可能性があります。

だから商品が売れないときに、
一番最初に思い浮かんだ「高い体」「安くすれば売れる」という
超単純な、誰でも思いつく思考で停止してしまわないことが大事です。
「安くしたら、どうなるか?」もしっかり考えるべきです。
考えたら、「安くするだけだと一時はいいけれど、危険度は増す」ことに気づくはずです。
そうしたら、「安くする」以外の道を探すでしょう。

由水さんの話と、植松さんの話はどこかで繋がっているなあと思います。
先日このブログで「『あれをすれば、これができない』『これをすれば、あれができない』を
両方叶えるために」ということを書きました。
そのことも、ここに繋がっているなあと思います。

 

ずっと当たり前に言われてきた「俳優は稼げず苦労する」という方程式を一度分解してみる。
「商品が売れないのは高いからだ」という方程式も一度分解してみる。

それが、由水さんのいう「メンタルブロックをはずす」ということなのだと思います。

一度分解して再構築してみたら、
「俳優でもきっと稼げて豊かになれる」という可能性が見えてくるかもしれない。
「商品が売れない」理由が、もっと他のところから見つかるかもしれない。

以前の私なら、きっとこう考えていたと思うのです。

いや〜、でも俳優でどうやって稼ぐかなんてわからないし……。
う〜ん、どうして商品が売れないかなんて、考えたってわかるはずないし……。

でも……。
分解するだけだったら、私にもできる。
答えがわからなくても、分解だけならできる。
実は、この一歩がとっても大事なんじゃないか……と思うようになりました。

できるかできないかわからないけれど、
今まで当たり前と信じ込んできた「これ」と「あれ」の関係を
いったんゼロにもどしてみる。
そうすると、自分が「できること」「できないこと」の線引きが変わって、
新しい発見が生まれそう。

 

「これって本当にできないのかな?」と、自分を疑ってみることって
意外に大事なのかもしれません。
そして、疑ってみたら、「できない」と思い込んでいたことが、
実は「できる」かもしれないと、新たな光が差してくるような気がして、
なんだかワクワクしてきます。

長くなりました。
みなさま、今日もいい1日を。

 


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