「外の音、内の香」主宰、中川正子さんのトークイベントの報告、最終回です。
テーマは「自分をプロデュースするって?」
今までのお話を思い起こしてみると……。
1、どんな仕事でも、「中川正子」をバンバン入れて、すべてを「中川正子化」する。
2、新月の前後にアファメーションで10個宣言をする。
3、ここへ行く、と旗を立てる。
4、旗を立てたら、そこへ行くまでの道筋を細かいディティールまで妄想する
5、うまくいかないことがあったら、自分で新しいラベルに貼り替える
ということ。
この5つはすべて、「自分で」できることばかりです。
お話を聞いて思ったのは、
美しいルックスも、
やりがいのある仕事も
母としての日常も
友達とのひとときも
ぜ〜んぶ、中川さんが「自分の力」で手に入れてきたってこと。
もちろん、中川さんが美人さんで、才能があって、ものすごいバイタリティの持ち主であることは
確かです。
でも……。
それだけじゃ、きっとこんなにキラキラ輝けない。
自分の中にある「力」をうま〜く取り出して、「旗」を立てることで
自分を上手におだて、
「妄想」することで、できないこともできると自分に錯覚させ、
それでもできないことは、ラベルを貼り替えて「できること」に変えちゃって、
気がついたら、夢が実現してた!
そういうこと……。
これが、私が知りたかった、
中川さんの「自分をプロデュースする」という方法でした。
最後の質疑応答の中で、こんな質問をした人がいました。
「夫の転勤で、関西に行かなくちゃいけないんだけれど、慣れない土地で友達もいなくて
全然楽しくない。どうしたらいいですか?」
すると、中川さんはこんな話をしてくれました。
中川
私だったら、関西で友達をひとり作る、って決めるかな。
私もね、岡山で全然友達がいなくて、
夫が、引っ越して初めて出勤するという日に、商店街まで一緒に行って、「じゃあ、俺行ってくるわ」って
言ったとたん、号泣したんです。「友達が欲しいよ〜って」(笑)。
その後、公園に行って、同じぐらいの年齢のおかあさんたちがいたので、話しかけてみたら、
彼女たちも東京から来たばかりで、震災で避難している人たちでした。
「私もです〜」って話をしていたら、20人ぐらい友達ができちゃいました。
さらに、音楽や雑誌の話ができる友達も欲しいなあって思っていました。
そうしたら、岡山ですごくイケてるライブハウスに、私が大好きなブラジルのミュージシャンが
くることを知って、ツイッターで「わあ、最高〜!」なんてつぶやいていたら、
そのライブハウスのオーナーから「どうして知ってるんですか?」ってコメントが入って、
「実はブラジルでそのアーティストに仕事でお会いして……」って返事をしたら、
「わあ、じゃあ、会いましょうよ!」ってことになって、
翌日会いに行きました。
あんなに意識して友達を作ったのは、アメリカに留学していた頃と、その時と2回だけですね。
でも、そんなに大勢じゃなくても、いい友達が2〜3人いれは、その土地っていい土地になると
思います。
思いとおりにいかない現状や、環境があったとき、
「どうして◯◯なんだろう……」とため息をついていないで、
とにかく自分で動いてみる。
やっぱり、中川さんは、自分の中から「力」を掘り出す名人でした!
そんな中川さんが今年出された新しい写真集が「ダレオド」。
高松の「BOOK MARUTE」のレーベル「Pilgrim」からの出版です。
「ありがたいことに、初版1000部のうち、もう半分以上は売れているんです」と中川さん。
よく「どうして東京の出版社から出さなかったの?」と聞かれるそう。
中川
岡山をベースとしている私にとって、同じ瀬戸内エリアで、
日本だけではなく世界に目を向けている「BOOK MARUTE」のオーナー、てっちゃん(小笠原哲也さん)
と一緒に挑戦していくことは、ごく自然な流れだったんです。
地方から一流のものを出していく、という意識がぴったりあって、世界に向けた本を作りました。
「普通はこうやる」という常識のようなものに、どんどん疑問を持って
自分たちが腑に落ちるやり方でやってみる。
そんなチャレンジのひとつです。
これからは全国にフェアという形で巡業を行う予定です。
6月10、11日は東京初のフェアを「HADEN BOOKS:」でやるんですよ。
「誰も見ていないみたに、踊って」。
アメリカのスーパーで見つけたこの言葉をずっと胸に持ち続けてきたそうです。
そして、いつしか「踊る」ということは、中川さんにとって「生き生きと生きること」の象徴に
なったのだと言います。
「わたしは、ひかりを集めたい」
と前書きには綴られています。
そして、この写真集の中には、中川さんが集めた「光」があります。
中川さんは、この写真集を作るとき、
膨大にある写真の中から、いったいどうやって「これ」と選んだのでしょう?
どの「光」も、気をつけて見ていないと、
その前を通り過ぎてしまいます。
でも、そんな光を自分の手で集めたとき、
その光と光が響き合って、いつしかリズムを刻み始め、その調べに沿って
踊り出せるような気もしてきます。
今回のトークイベントで、私だけでなく、来てくださったみなさんの心に
きっと光のおすそ分けが届いたはず。
お話が終わってから、アンケートを書いていただいて、帰っていかれるみなさんの顔は
みんなニッコニコだった気がします。
そして、このイベントを開催してみてよかった!
中川さんのお話を、みんなでシェアできてよかった!
と確信したのでした。
小さな光が、これを読んでくださった方々の暮らしにも灯ることを祈ります。