前回の記事では、雪が降っていた信楽ですが、一転、もう半袖で過ごせる気持ちの良い季節となりました。
みなさん、お元気ですか?
今回紹介するのは外はサクサク、中はフワフワ、大谷家では大人気の豆腐だんご。
豆腐をつぶして鶏の挽肉やいろんなお野菜を混ぜて揚げるおかずです。
ピンポン球より少し大きいくらいのおだんごを山の様に皿に盛ってテーブルの真ん中に置くと、
ちょっととぼけたかわいさに、みんなが笑顔になるのです。
ずっと作っていたものではなかったのですが、ある時からひんぱんに作るようになったこの料理。
作り始めたその日のことをはっきり憶えています。
いつもの様に、ご飯のメニューを考えながら冷蔵庫をチェックしていた私、
買い置きしていた木綿豆腐2丁が目にとまりました。
その瞬間、私は、母と商店街で買い物していた小学生の頃にタイムスリップ。
マジックアワーの信楽銀座は買い物のお母さんたちで大にぎわい。
夕飯の支度をするいい匂い、子供達のはしゃぐ声、町役場から流れる5時を知らせるサイレンの音、、、
さんざめく商店街の端っこにあった豆腐屋さんに入り、
母が、「木綿豆腐2丁しぼってください」とおばちゃんにたのんでいる横で、
「今夜はがんもだな〜」と思うと、嬉しくなってお腹がぐ〜って鳴りました。
母のがんもどきは、ニンジンやゴボウ、枝豆、ひじき、黒ゴマなどがゴロゴロ入っていて、
ちょっと黄色くて香ばしい菜種油で揚げてあって、ショウガ醤油をつけて食べるのが美味しかったなあ…
と、しばし思い出に浸っているうちに、「よし、この木綿豆腐をしぼって揚げよう」と決めました。
豆腐の水切りをしている間に冷蔵庫にあった山芋をすりおろしたり、キノコやネギを刻んだり、
私なりに入っていたら良さそうなものを選んで混ぜ合わせて揚げてみると、かなり美味しいものに。
そのうち大谷家ではこの料理が「豆腐だんご」と呼ばれるようになり定着しました。
「豆腐だんご」の原型は母が昔作ってくれていたがんもどきですが、
今ではそこにお肉を足してボリュームアップしたり(この時点でもう「がんもどき」ではない、笑)、
山芋を足してふわふわの食感をアップしたりして私の味になっています。
花いわく、「いっとき豆腐だんごがこの世で一番美味しいって思ってた!」
花は本当に褒め上手。この言葉を聞いた時、私は心底嬉しかったのですが、ふと考えました。
「ちょっと待て。思ってた、ってことは、今は違うってことか?」
でも、だからと言って不思議と嫌な気分にはならない魔法の様な言葉なのです。
ポイントは「思ってた!」って過去形になってること。
(今は違うけど)過去の一時期においてナンバーワンだったということなので、
言ってもらった人はとりあえず嬉しい、なんてったって一番だし。
「この音楽、いっとき世界で一番好きやった!」
「この本、世界で一番おもしろいって思ってた!」
「この器がこの世で一番素敵やって思ってた!」
などなど。いいな〜いいな〜、私も使ってみようって思いました(笑)
ご飯のおかずはもちろん、これからの暑い季節にビールとも相性抜群の豆腐だんご。
残ったら次の日のお弁当に入れたり、うどんやお蕎麦など、汁麺のトッピングにしても美味しいです。
「豆腐2丁は多いんじゃない?」と思うかもしれないけれど、
こういうものはたくさん作ってワイワイ食べたほうが絶対に美味しいので、豆腐はあえて2丁分。
作ると決めたら「ご飯食べに来ない?」って友達を誘いましょう。
「何か持って行こうか?」と聞いてくれる人がいたら、迷わず「よく冷えたビール」をリクエスト。
(ハタチを過ぎたら、ね)
特別なことはないけれど、時々ちょっと思い出し、心がほわっと温かくなるような思い出になればいいなあ…
<材料>(ピンポン球くらいのおだんご約35個分)
木綿豆腐 2丁(キッチンペーパーと布巾で包んで軽く重しをし、水気をきる)
鶏ひき肉 300g(我が家では胸肉をフードプロセッサーでミンチにします)
しょうが 20g (おろす)
塩 小さじ1.5
酒 小さじ2
片栗粉 大さじ3
山芋 300g(すりおろす)
エノキ 1パック(1cm位のざく切り)(舞茸やシイタケなどで作ってもまた違った香りや食感が楽しめる)
青ねぎ 太め1本(1cm位の輪切り)
ゴボウ 太め約20cm(マッチ棒くらいの太さに細切り)
(下準備)
*30-1時間くらい前に豆腐の水切りをしておく。
*野菜の下ごしらえをする。
*鶏のひき肉におろしたしょうがと塩、酒を混ぜ込んでおく。
1. 水切りした豆腐にひき肉と片栗粉を入れて手でよく混ぜる。
2. 1にすりおろした山芋と下ごしらえをしておいた野菜を入れてよく混ぜる。
最初のうちは山芋がドロドロしていて柔らかいが、しばらく混ぜているとまとまってくる。
ひとまとまりになるくらいまでよく混ぜる。
3. 油を熱し、2本のスプーンで軽く形を整えならが中火で揚げる。
一度に約5個づつあげる。ふわっと浮かんできて軽い感じになったら出来上がり(約5分)
油を切って大きめの器にうず高く盛り付ける。
*生姜じょうゆや、レモンと塩、ポン酢など、お好みでつけながら食べてください。
*レタスや大葉などに包みながら食べても美味。
いつものように材料はいたってシンプル
布巾を広げてキッチンペーパーを敷き、豆腐を並べ…
ペーパーで覆い
包む
金網を置いたバットの上に乗せ…
まな板などを置いて、水気を切る(30〜1時間)
水切りした豆腐を大きめのボウルに入れ…
ひき肉と片栗粉を入れてよく混ぜる
すりおろした山芋と刻んだ野菜を入れ
混ぜる!はじめはヌルヌルしていて混ぜにくいが、よく混ぜているとまとまってくる
ひとまとまりになりました
スプーンで軽く形を整えて
中火で揚げる(5個づつくらいがちょうどいい、5分くらい)
バットの上に敷き紙をして油をきる
ラッキーにも残ったら、次の日のお昼も楽しめます!