フォトグラファーの清水美由紀です。
運転が苦手な私が、思い切ってチャレンジした、長野から愛媛を目指す母娘ふたりロードトリップ。行くと決めてからも、友達に「何かあったらどうしよう」とポロっとこぼしたり、当日だって「本当に行けるのかな。」なんて考えながら、どことなく心もとない気持ちでいました。
それでも出発できたのは、1週間後に友達が愛媛県西予市で「おいしいを撮ろう」というテーブルフォトの写真教室を企画してくれて、その講師が私と決まっていたから。なにがなんでも1週間後には愛媛にいなくっちゃ、という気持ちになれたのはそのおかげです。
この日の目標は、多治見。高速で2時間半くらいの、日帰り旅行だってできちゃうくらいの距離です。思いの外、運転は順調に進み、大の苦手の長いトンネルもなんとかクリア。娘も車を運転している間、おしゃべりしたり眠っていてくれたので、多治見に到着してからもご機嫌で遊ぶことができました。
この旅ではいくつかの小さな裏テーマがありました。そのうちのひとつは、行ってみたいと思っていたけどなかなか行けずにいた、各地の気になるスポットにいくこと。それまでしていた飛行機や電車での旅は、早いし楽だし安心だけど、どうしてもスポットでしか行くことができず、歯がゆく思っていたんです。「モザイクタイルミュージアム」や「ギャルリももぐさ」など「いつか」と思っていた場所に自分自身を連れてきてあげることができました。
うれしいことに、愛媛の友達はそんな私をみて、「いつかをいつかのままにしない生き方」だと言ってくれました。
「やりたい」と思っていることですら、その前に立ちふさがる「面倒くさい」や「今のままのが楽」という気持ちが邪魔をすることがあります。誰かとの予定を決めてしまったり、誰かに話したり、そうやって自分が動かざるをえなくなるような状況にするって大切だなあと思いながらいい出発を切ることができました。