ビジネスのことなんて何にも知らない私が、ビジネスで成功している
人の元に話を聞きに行く。
それが、2年前にこの「外の音、内の香」というサイトを立ち上げた当初から
続けている「ビジネスピープルからの贈り物」というコンテンツです。
好きなことを続けるためには、お金を稼がなくてはなりません。
儲けるってなに?
売れるってどういうこと?
持続可能なビジネスってどういうもの?
そんな超初心者的な質問を、ビジネスの先輩たちに投げかけてきました。
インタビューしながらわかってきたのは、
ビジネスの中の「真実」って、決して特別なことでなく、
ビジネス頭の人、計算が強い人、頭の回転がめちゃくちゃ早い人しかわらないものでもなく、
極めてシンプルであるということ。
そして、それは、私たちの普段の暮らしにも、これから歩いていく人生にも応用できるということ。
2年間、いろいろなジャンルで活躍する
経営者たちの話を伺って、その面白かったこと!
そして昨年は、このコンテンツを書籍化し、
「キッチンで聞く、ビジネスのはなし」という1冊の本にまとめることが
できました。
でも!
まだまだお話を聞きたい人がいっぱい!
「ビジネス」というものの中には、まだ私が知らない宝物が眠っているはず。
なので、これからもこのコンテンツをずっと続けていこうと思います。
ということで、
2019年最初にお話を聞きに行ったのは、
「大人になったら着たい服」でもおなじみの
兵庫県西宮市セレクトショップ「パーマネントエイジ」オーナー、
林行雄さんと多佳子さんです。
お二人に話を聞いてみたい、と思ったのは
さりげない会話の中で「欲張らないビジネス」という言葉を聞いたからでした。
「パーマネントエイジ」オリジナルの服は、
伊勢丹新宿店や梅田阪急などのイベントでも大人気です。
雑誌で紹介したそのシーズンの服は、たちまち売り切れてしまうほど!
「もっと作ればもっと売れるのに」
と素人の私などはどうしても考えてしまいます。
でも、「もう十分なんです」と林行雄さんは言います。
「実はビジネスでは、欲張らないで『ここまで』と引き返す線を
引くことが一番大事なんです」とも……。
もっともっとと、上を目指さないビジネスがあるんだ……。
それは、私にとって大きな驚きでした。
ビジネスを手がける人にとっては、
儲かれば儲かるほどいいんだ、と思っていましたから。
そこで、林さんにとっての「ビジネス」とは何か、
ぜひ詳しくお話を伺ってみたいと思ったのです。
「僕は、一度ビジネスで失敗していますからね……。
そんなにエラそうに語れないんですよ。
でも、この失敗が、誰かのお役に立つなら、お話しますよ」
と行雄さんは言ってくださいました。
え?失敗?
実は、今の林さんのビジネス哲学の根っこには、ご自身の「失敗」があります。
きっとあまり人には語りたくないだろう「失敗」を
今回教えてくださいました。
圧倒的なリアリティがあるからこそ、私たちはそこから学ぶことができる……。
次回から、林さんのそんな「失敗から始まったビジネス」について伺います。
写真/藤岡寿美