この度、新しい連載が始まります。
お願いしたのは、陶芸家の大谷桃子さん。
滋賀県の信楽町で、夫で同じく陶芸家の大谷哲也さんと共に作陶していらっしゃいます。
18歳の花ちゃん、15歳の風ちゃん、13歳の緑ちゃんの3人娘のお母さんでもあります。
私が初めて大谷夫妻とお会いしたのは、今から10年以上前のこと。
当時古い借家住まいで、「今度新居を建てるんです」と聞いて遊びに行き、
その後「天然生活」で取材をさせていただきました。2008年のことです。
家族みんなで餃子を作っているところを撮影させていただきました。
3人娘のちっちゃいこと! 愛らしいこと!
桃子さんは、アメリカのオレゴン州立大学で学び、
在学中にインドネシアに留学。
帰国後陶芸を学んだ、という経歴の持ち主。
今、作られている葉っぱや蓮など、植物モチーフの器は、インドネシアでみた
瑞々しい自然がベースになっているのだと言います。
新居が完成した時、「キッチンに住んでいるみたいな家にしたかったんです」
と教えてくれた哲也さんの言葉を今でも覚えています。
その通り、大谷家の中心は、長〜いカウンターのあるキッチン!
毎日、朝食と昼食は哲也さんが、夕食は桃子さんが担当しているそう。
哲也さんは、毎朝食べるパンはもちろん、ベーコン、コーヒー豆の焙煎まで手がけ
桃子さんは庭でハーブや野菜を育て、毎日の夕飯を作ります。
「田舎で周りに買えるところがないから、自然になんでも作るようになりました」とふたり。
そんな暮らしの豊かなこと!
毎日のご飯作りに使っているのが、哲也さん作の平鍋です。
煮込み料理はもちろん、肉を焼いたり、パエリアを作ったりと、どんな料理もコレで作るそう。
いつも家族5人で食事をする、というのが大谷家の決まりごと。
ところが……。
この連載を始めるきっかけとなる、大きな変化が訪れました。
「母から娘へ。受け継ぐレシピ」
その始まりは、ぜひ桃子さんが書いてくださったイントロダクションを読んでみてください。
今回、取材に伺ったあとに、桃子さんからイントロダクションの原稿が送られてきました。
それを読んで、涙がポロリとこぼれました。
そして、ああ、この連載をお願いしてよかったと、心から思ったのです。
世の中の全ての母と娘に、桃子さんの想いが伝われば……と願わずにおれません。
私も、桃子さんのレシピを毎回楽しみに拝見したいと思っています。
撮影/清水美由紀