アネモネ

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先日、銀座の森岡書店で今年初めての平井生花店(出張の花屋)をしました。
おひとり、おひとりに、どんな花が好きか、今日はどんな気分か、それからこれからどこへお出かけなのか…などなどお聞きしながらブーケをつくりました。束ねながらあらためて感じたのは、本当に人それぞれのその時の心境に合わせて植物は寄り添ってくれるのだと言うこと。

「今日は息子の成人式なんです。」

「えっ、お母さんがこちらにいらしていて大丈夫ですか?」

「はい、息子ですから〜笑」

なんて会話をした方には、息子さんのお話しも伺いながら、晴れやかな気持ちのいい綺麗な赤い花を選んで束ねました。

こんな風にやり取りをしていると、この日は自分のために花を買いに来てくださった方がほとんどでした。
自身のために花を買うことは、美味しいものを食べたり、大好きな人と会ったりするのと同じくらい、上手な自分の喜ばせ方だと思うのです。

以前、仕事が立て込んでいた私が、「頑張れ、私〜」っていうテンションで自分へ生けたのは紫色のアネモネ。
アネモネは花の仕事を始めたばかりの頃(20年近く前?!)、お菓子をつくる友人のクボちゃんと一緒に、花とお菓子のギフトをお贈りするユニットを結成した時につけた、何を隠そう私の初めての屋号です!
とにかく楽しくて、一生懸命だったな…  。

2020年、もっともっと自分自身を喜ばせていきましょう〜

 

キンポウゲ科/アネモネ属
原産地 地中海沿岸からヨーロッパ南部


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