数日前のこと。
私は日帰り出張で遅くなり、吉祥寺の駅についたのは9時過ぎでした。
「明日のスムージーに入れるバナナを買わなくちゃ!」と思ったのですが
いつものスーパーはもう閉まっていて、駅近くにあるスーパー2件を回ったのですが全て売り切れ!
あちゃ〜、と思いながら、自転車で少し離れば場所にある24時間スーパーへ。
こういう時に都心は便利ですね。
「あった、あった!」
とバナナを見つけ、「どれにしよっかな〜?」と物色していると……。
なにやら視線を感じたのです。
パッと横を向いたら、私の顔を覗き込んでいる人が……。
なんと、エッセイストのたかのてるこさんでした!
今から10年以上前「暮らしのおへそ vol2」で取材をさせていただいて以来、
たま〜に一緒にご飯を食べたり、近況を報告しあったり。
実は、昨年も出張帰りに駅でバッタリ会い、深夜だったにもかかわらず、
2人で飲みに行ったのでした。
「世界中の人と仲良くなれる」と信じ、65カ国を駆ける旅人。
ベストセラー「ガンジス河でバタフライ」を始め、たかのさんの書かれる旅のエッセイは
ただの旅紹介ではなく、日常から一歩でたところで見つけた「自分」が
ものすご〜く正直な目線で綴られていて、
読むたびにワハハと大笑いし、ちょっぴり泣いて、人生っていいなあと思わされます。
そんなたかのさんが、バナナ売り場の横で、
「自費出版で本を出したんですよ〜」と教えてくれたのが、上の写真の1冊です。
全国の自治体や小中高校、大学で講演をしたり、大学講師としても活躍しているたかのさん。
教え子から「生きる意味がわからない」と悩みを打ち明けられたことがきっかけで
この本を作ったそう。
「若い世代の人と話すと、大人やマスコミの影響で
世界がどんどん悪くなる一方だと思い込んでいて
未来に希望を持っていない人がほとんどなので
だいじょうぶだよー!
世界全体を、人類史を、『鳥の目』で見てみれば
世界はどんどんよくなってるからねー!
と声を大にして言いたくて」
とおっしゃっていました。
この見開きに対する答えが次のページに。
「それってどういうこと?」っていう答えがまた次のページに、
と「クエスチョン」と「アンサー」の数珠繋ぎで展開するのですが、
私が一番衝撃を受けた「アンサー」の一つがこれ。
う〜ん!なるほど!
私は優等生体質なので、どうしても「人に迷惑をかけちゃダメ!」と思ってしまいます。
でも、たかのさんは
「人と人は、迷惑をかけたり、かけられたりしながら
濃厚な関係、濃厚な人生を作っていくもの」
と綴られます。
そういえば、たかのさんも旅の中でいろんな人に話しかけ、家に連れて行ってもらい、
ご飯をご馳走になって、どんどんその人の心の中に入っていっていたよな〜。
「迷惑をかけたくない」というのは、結局「迷惑をかける人だと思われたくない」ってこと。
つまり「自分をよくみられたい」ってこと。
たかのさんがおっしゃるのは、
そんな殻を脱ぎ捨てちゃえば、もっともっと人と仲良くなれるよ、ってことなんだなあと思いました。
こんな風にさらりとしたシンプルな言葉に、たかのさんの豊かな経験がつながっている、
そんな1冊です。
これがワンコイン=500円なんて、すごすぎるよ!たかのさん〜!
自費出版の本なので、買えるのは、全国90箇所のジュンク堂&丸善書店だそうです。
買えるお店はここ。
ネット書店「honto」でも。
みなさまぜひ、お手にとってみてくださいね〜。