オーディブルで本を「聞いて」みたら。

この時期、朝のウォーキング時間は、まだ暗くて
足元の草花もよく見えないのですが、
偶然水仙が咲いているのを見つけました。
かわいいなあ〜。
我が家の庭の水仙はまだニラだけど、やっぱり春な近いのですね〜。

ただ週末は東京でも雪なのだとか……。
みなさま、いかがお過ごしでしょうか?

1月は出張が多くて、一昨日は3回目の出張。
富士山が美しく見えました。

さて……。
最近、私はオーディブルを聞くようになりました。
きっかけは、「暮らしのまんなか」で、
ライターをお願いしている赤木真弓さんが、尾石晴さんを取材してくださったから。
尾石さんは、外資系メーカーに16年勤めたのち退職。
2年間のサバティカルタイムを経て、大学院に通いながら
さまざまな発信をしていらっしゃいます。
二児の母であり、ヨガも教えていらっしゃいます。
この尾石さんがやっていらっしゃるvoicyの「学びの引き出しはるラジオ」が
すごく面白いのですよ〜。

ものすごくクールな口調で、いろんなことをロジカルに語ってくださる……。
ふんわりとした切り口ではなく、
ちゃんとエビデンスに基づき、
数字や事実をあげて、
でも、暮らしの中にある身近なテーマを取り上げてくださるので、
毎回「へ〜!」「ほ〜!」と聞くようになりました。

で!
その中で、尾石さんが薦められていたのが、オーディブルだったのです。
オーディブルとは、オーディオブックのことで、
様々な本を、俳優さんや声優さん、などプロのナレーターが読んで、
それを「聞く」というメディアです。
つまり「本を聞く」というわけ。
実は、かなり前、オーディブルの契約をし、少しの間聞いておりました。
でも、いつの間にか聞かなくなって、解約しました。

今回、尾石さんが「すごくいいですよ〜」
「最近では、読み手が多彩で、村上春樹さんの小説なんて、
高橋一生さんが読んでいたりするんですよ〜」
と言っていらっしゃったので、
もう一度申し込んでみたのでした。
会員になると、20万冊以上の本が、聞き放題になります。

で!さっそく「おすすめ」にあがってくるものから聞き始めました。
最初に聞いたのは、宮島未奈さんの「成瀬は天下を取りにいく」。
そして、次に池井戸潤さん作の「俺たちの箱根駅伝」。

特に池井戸潤さんの小説は、よくドラマ化もされているように
展開が早くて、ドラマティックなストーリーなので、
ぐいぐい引き込まれ、「え! 次どうなるの?」と
時間がちょっと空くと聞いておりました。

今まで、掃除をしながら、ご飯を作りながら、
コテンラジオなどのポッドキャストや、voicyを聞いていたのですが、
フォローしている方の最新配信は、すぐに聴き終わってしまいます……。
そこで、オーディブルを聴き始めたというわけ。

聞いてみて、わかったことがあります。
それが、「読む」のと違って、オーディブルは
「読み飛ばす」ことができない、ってこと。
最初から最後までを、ナレーターの声に耳を傾けながら、
1ページも飛ばすことなく「聞く」ことになるのです。

すると、物語のディティールがきちんと頭に入ってきます。
たとえば、「俺たちの箱根駅伝」では、
1区、2区、9区………とそれぞれの駅伝のエリアの細やかな説明が綴られています。
地形の特徴、周囲にある建造物、施設、歴史的背景……。
そこは、大筋とは関係ないので、
たぶん本で読んでいたら、私は読み飛ばしていたと思います。
でも、イヤホンを耳にひっかけて聞いていると、
どこからどこまでが本筋かを目で判断することができないので、
すべてをまんべんなく「聞く」ことになる……。

これが、すごくよかった!
ああ、池井戸さんは箱根駅伝について、こんなにも細かなことまで調べられたんだなあと
改めて、作家の熱量に思いを馳せたり、
一見、本筋とは関係ないと思える事実の積み重ねの中に、伏線があることに気づいたり。

思い返せば、以前「オーディブル」を辞めてしまったのは、
このゆっくりとしたスピード感が体に合わない、と感じたからでした。
でも今回、あえて時間をかけて丁寧に1冊の本を聞いてみて、
いつもとは違う、より濃密な読書体験になったなあと感じています。

たぶん、同じ本でも「読む」のと「聞く」のでは、
頭や心に入ってくるものが違うんじゃないかと思います。

ちなみに、満員電車の中でも本を広げなくても「聞ける」のでとても便利です。

いつもとインプットの仕方を変えてみる、というのは
いつもと違う心の部分が刺激されるようで、なかなかいいなあ〜と感じています。

新しいことを始めるのは面倒だし、「え〜、それどうよ?」と懐疑的になりがちだけれど、
三日坊主になったとしても、
合わずにやめてしまったとしても、
とりあえず「やってみる!」というのは、いいなあ〜と思うこのごろです。

オーディブル、おすすめです!

みなさま、今日もいい1日を。


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