いよいよ本日11月1日発売です。「父のコートと母の杖」(主婦と生活社)父のコートとは? 母の杖とは?

いよいよ本日11月1日「父のコートと母の杖」(主婦と生活社)が発売になります〜。

どうしてこのタイトルなのか……。
中を読んでいただければわかると思うのですが、
まず「父のコート」は、
私が、父がサラリーマン時代の30代の頃から着ていて、
譲ってもらったバーバリーのコートのことです。

54年も前のもので、着古してくたっとなった生地は自然に落ち間が生まれて体に馴染み、
このコートを着ていると「おお、かっこいいね〜」とよく褒められます。

私が子供の頃も、父はこのコートを着て会社に行っていたはずなのに、
さっぱり覚えていない……。
親の姿って、子供の頃は見ているようでしっかりは見ていないものなのですね〜。

そして、譲られて初めて、父がずっと会社員として毎日毎日通勤していた日々に
思いを馳せたのでした。

自分も社会で働くようになって、
仕事人間になって初めて、父と対等の目線で話せるようになった気がします。
それが、私の父との出会い直しの第一歩でした。

「母の杖」は、
側湾症を患い、外でも家の中でも杖をつくようになった母の
今の生活のいちばんの相棒です。

体が丈夫で、めったに病気などしない母が、
まさか杖をつく生活を送るようになるなんて、思ってもいませんでした。
私よりも体力があって、
家族みんなで出かけて、帰ってきても
私が疲れてソファに横になっている間に、
母は、すぐごはん作りに取り掛かり、終わればきちんと洗い、
レンジも隅々まできれいにして……。

そんな母が杖をつきながらしか家事ができなくなりました。
でも、母は今の母なりに、
掃除、洗濯、料理をこなし、
以前と同じようにはいかないけれど、
自分なりのルーティンを作って、家をキープしています。

そんな姿は、「丁寧」とか「完璧」とか、「昨日よりよくなる」とか、
上を向いて進むことだけがすべてではない。
その時の自分ができることをやればいい。
自分以上の自分を目指さなくていい、と教えてくれました。

つい、「誰がみても素晴らしいこと」を目指してしまう私に
母の杖が教えてくれることはとても大きかったように思います。

最近は杖に加えて、外出時はこのカートを導入!杖よりすいすい歩けるらしい

 

両親の老いゆく姿を受け止めることはとても辛いししんどいけれど、
親と娘という立場をいったんほどき、
今まで生きてきたひとりの人として、出会い直したとき、
教えられることはとても大きいなあと感じています。

この本では、父と母とそして私のごく普通の日常の風景を綴りながら
そこから気づいたこと、感じたことを
ありのままに書きました。

「そうそう、そんなことあるよねえ〜」
「そこがつらいんだよねえ〜」
「でも、それがいいんだよねえ〜」
など、少しでもみなさんの心と重なるところがあれば嬉しく思います。

インスタライブでも少しお伝えしましたが、
この本の発売記念のトークイベントを開催します。

詳細は下記です。

12月7日(土)
14:00~15:00
広島蔦屋書店
▶チケット販売開始
11月7日(木)12:00(正午)12月8日(日)
14:00~15:30
MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店
▶チケット販売開始
11月1日(金)12:00(正午)
*こちらは、会場参加、オンライン参加(アーカイブ配信あり)

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価格やチケットの受け渡し方法などは、

それぞれの書店さんのHPの「イベント」欄からご覧ください。

実際にみなさんにお会いして、いろんなお話ができることを楽しみにしております。

そして、本を読んでくださったらぜひ感想を聞かせてください。
このサイトのコメント欄でもいいですし、
インスタ、facebook などでも。

父のコートと母の杖」(主婦と生活社)本日発売です。

みなさま、今日もいい1日を。


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