東京では、少し雨風がおさまってきました。
皆様の地域は、ご無事でしょうか?
まるで、神様が天からカードを手渡してくれるように、
「あ、これさっき言ってたことと同じだ!」
「あれ、これも同じじゃん!」
と、耳にすること、目にすること、感じることすべてが、一つにつながってくることがあります。
昨日は雨の中、撮影のために朝から車で出かけたワタクシ。
ラジオでJ-waveを聞いていると、ゲストは「いきものがかり」水野良樹さんでした。
「いきものがかり」の「エール」という歌があります。
東日本大震災の後、東北に行ってこの歌を歌う時……。
歌詞の中に
「さよならは悲しいことじゃない」
というフレーズがあり、
「目の前に、『悲しい』なんてものじゃないほどの辛い体験をした人がいるのに、
この曲を歌えるだろうか?」
と考え込んでしまったそう。
でも、現地に行ってみると、高校生たちが、この歌を歌ってくれていたのだとか。
それを見た時、
「こんなちっぽけな自分より、歌の方が誠実。
自分より、歌の方がずっと信じられる」
と考えたのだと言います。
さらに、もう少しして桜が咲くと、
桜は「人間を楽しませよう」として咲いているのではないのに、
みんなが「こんな悲しいことが起こったのに、桜がまた咲いてくれた」と感じる……。
水野さんは、こんな桜みたいに、自分は歌うだけでいい。
と思ったのだそう。
そして、撮影を終えた帰り道。
台風で雨足が強くなり、「早く帰らなくちゃ」と思いながらハンドルを握っていると
今度はラジオから流れてきたのは、シンガーソングライターのmiwaさんの「we are the light」という新曲でした。
miwaさんがゲストで、その曲を書いた時のことを語っていました。
夜の街を、一人ぼっちで寂しく歩いていると、明かりが灯っているだけで、
「ああ、まだ働いている人がいるんだな」とか、「こんな時間でも頑張っている人がいるんだな」と
ちょっと元気づけられることがある……。
light=明かりって、そんな力があるもの。
別に、誰かを励まそうとか思って灯っているわけでないのに、
そこにあるだけで、誰かの役にたっていたりする。
だから、私たちはそれぞれが、誰かのlightになれる……
という思いが込められているそう。
さらに、寝る前に読んだ笹本稜平さんの「その峰の彼方」
この物語は、厳冬のマッキンリーで消息をたった津田悟を
親友たちが必死の捜索に向かう、というお話なのですが、
その津田が、生きて帰れるかどうかがわからない、そんな極限の状態になった時、
「この世界から自分一人がけたとしても、それは些細なことにすぎない。
宇宙全体から見れば、もともといなかったようなものなのだ。
それなら深刻に考えるほどのことでもない」
と考え始め、
「自分が特別な存在と勘違いして、あるはずもないものを求めてここにやってきた。
今身に沁みて感じている絶望こそが、自分が手にした最大の成果なのではないのかと……」
と自分が山を登る理由にたどり着きます。
その途端、彼は、この世界と別れる切なさに襲われ、
すると、
山も木々も花々も、全てが懐かしく美しい。
もう一度その世界で生きられたら
と心の底から「生きたい」と願う……。
この3つの出来事重なって、なんだか自分へのメッセージのように感じられたのでした。
「いい文章を書こう」とか
「いい本を作ろう」とか
どんなにジタバタしても、
自分の力なんて、ちっぽけで些細なもの。
「私なんて」と卑下したり、
「いつまでたっても自身が持てなくて」と落ち込んだりすることさえ、
「私」にこだわっている証し。
だったら、今目の前にあることを見て、感じて、一生懸命書くだけでいいのかも。
3つの偶然が、
もっとシンプルになれば?
と言ってくれているようでした。