自分を使い切らないということ。

落ち葉が風に舞う季節になりましたね。
朝、ウォーキングに行くとき、ほとんど誰もいないので、マスクをはずして歩きます。
そうすると、雨に濡れた土の匂い、落ち葉の香ばしい匂い、
どこかから流れてくる甘い花の香り、シャワーを浴びている部屋からの石鹸の匂い……
など、さまざまな匂いがします。
ああ、私たちはこんなにも「匂い」から情報を得ているんだなあと
鼻をクンクンいわせて歩きます。

みなさま、いかがお過ごしでしょうか?

私はイベントも終わり、やっとこの週末、土日の両日を家にいることができました。
掃除をして、布団を干したり、シーツを洗ったり、
このごろスープの代わりに作るようになったラタトゥユをまとめて作ったり、
コンポートを煮て、豆乳ヨーグルトを仕込んだり……。

 

は〜、こうやってゆっくり家のことができる時間って幸せだなあ〜としみじみ……。
仕事が忙しくなって、家事ができなくなるほど、
ちゃんと時間をかけて掃除や洗濯、料理に手をかけることが楽しくなります。

1日家にいられる。
それだけで、家事の時間にゆとりができる……。
なのに、午後から取材に出かけなくちゃいけない、となると
とたんに「時間までに終わらせなくちゃ!」と
といろんなことが「義務」になり、
イライラしている自分に気づきます。

今さらながらに、「詰め込んじゃダメ」だなあと思う日々……。

若い頃は、とにかく忙しいことがいいことで、やりがいがある、と思っていました。
でも、今はゆったり仕事をするようになったなあと思います。
もちろん、立て込んできてアワアワし「は〜、疲れた!」という日もあるけれど、
基本的には、仕事をギュッと集中してやるのは午前中のみ。
朝6時から昼12時までです。

その後は、昼ごはんを食べて、掃除をしたり、ちょっと昼寝をしたり。
事務作業やアポ取りなどはやるけれど、
その後晩ご飯を作って、夜はほとんど仕事はしません。

このバランスのなにがいいって、
朝の仕事の集中力がマックスになるってこと。
午後はゆっくりするんだから、ここで原稿書いてしまわないと!
とギュギュ〜ッと集中することができます。

そしてその「集中」は、午後ゆったり過ごすことと、夜早めに寝ることで保つことができる……。
つまり、「ゆるめる」からこそ「集中」の時間を得ることができるってこと。

この事実を私はなかなか理解できませんでした。

若い頃は、「ゆるめる」ことが怖くて、
1日中仕事をしていなくちゃダメなんじゃないか……と思っていました。
でも……。
当時のことを思い返すと、ダラダラ机の前に座っているだけで、
ちっともはかどっていなかった……。

明日でいいことも、今日やってしまわないと気が済まなくて
絶えずあせっていたなあ。

思い切って「ゆるめる」ことができたとき、
サクサク仕事がはかどるようになった気がします。

これは仕事だけでなく、いろんなことに言えるんじゃないかなあ。
「ここまで」と決めて掃除をして、「これ以上はやらない」と決めるから
「ここまで」の手が丁寧になります。
「おかずは2品だけ」と決めるから、2品をおいしく作ろうと思えます。

エネルギーを使い切らないことや、
自分を疲れさせないことって、意外に大事。

明日やったっていいじゃない。
今じゃなくてもいいじゃない。
ちょっと気長になることを、練習しようと思います。

みなさま、今日もいい1日を。


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