やったことがないことをやってみる!

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なんと!
15年ぶりぐらいにケーキを焼きました。
ちょっと不格好だけれど、やっぱり自分で作るとおいしいですね〜。
レモン3個をたっぷり使ったレモンケーキです。

家中にケーキが焼ける甘い匂いと、レモンのさわやかな香りが広がりました。

「よし、作ってみよう!」と思ったのは、
この絵本「くいしんぼうのマルチェロ ふしぎなエプロン」(大塚ミク作 オオノ・マユミ絵)
(出版ワークス)を送っていただいたから。

大塚ミクさんは、松江のセレクトショップ「Daja」の板倉直子さんの本を作るときに出会いました。
ご主人、大塚祐作さんが島根県出雲市で営むイタリア料理の店「鍛冶屋と料理」は
予約が取れない知る人ぞ知る店。
も〜、めちゃくちゃおいしくてびっくり。
焼き立てのピザはもちろん、キャベツを細〜く千切りにしたものとシャインマスカットを
混ぜたサラダも絶品でした。
(今は電話予約&ドライブスルー形式でお昼のテイクアウトをしているそうです)

その取材をさせていただいた時、広報担当として立ち会ってくださったのがミクさんでした。

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その後、イベントにきていただいたり、一緒にご飯を食べたり。
ミクさんは、東京でコピーライターとしてバリバリに働いていた方。
震災を機に、たったひとりで神戸へ。
そこで出会った人と結婚し出雲へ。
今はお母さんになり、子育てと仕事を両立していらっしゃいます。
このミクさんの足跡は、いつか取材させていただきたいなあ〜って思っています。

一緒にご飯を食べたとき「本当にやりたいことだけをやって生きたい!」
とまっすぐな目でおっしゃっていたのが印象的でした。
それをちゃんと形にされたのがこの絵本。

くいしんぼうのマルチェロは、食べることが大好きな料理人です。
この本の構成がすごくおもしろい!
マルチェロがワインを飲むと………。
ページを繰ったら、エプロンの上にぶどうが現れます。
「やまのリゾット」をつまみ食いすると……。
ページを繰ったら、エプロンの上にはきのこやお米が踊っていて。

楽しく読みながら、「食べる」の裏側に繋がっているものを
知らず知らずのうちに楽しく眺めることができるというわけ。

「食べることは生きること」というミクさんの子供に伝えたい思いが、
さりげなく、軽やかに込められています。

そして最後のページに紹介されているのが「ふるさとのレモンケーキの作り方」です。
レシピはもちろん「鍛冶屋と料理」から!!

とても丁寧に作り方が解説されていて、
私もここを読みながら、今回作ったのでした。

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ところが、いろんなものが家にない!
ハンドミキサーがないから、フーフー言いながら、ぜんぶ泡立て器で手でかき混ぜました。
次に、パウンドケーキの型がない!
そこで、収納に使っていた食パンの型(上の写真の右奥)を使おうと思ったのだけれど
生地を流し込んでみたら、サイズが大きすぎる!
そこで、急遽野田放浪の保存容器を利用することにしました。

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さらに、このレシピでは粉糖をたくさん使うのですが、
私が買っておいた量だと足らなかった!
パウンド生地を作る分だけはあったのですが、
アイシング用の粉糖がない!
あまり買い物にも出かけられないので、調べてみると
グラニュー糖と粉糖の違いは、粒の大きさだけ、とのこと。
グラニュー糖をフードプロセッサーにかければ粉糖になる!と書いてあったので
我が家にはフードプロセッサーがないので、ジューサーにかけてみたら、
サラッサラの粉糖になりました!

いつもの私なら、すぐに吉祥寺の街へと出かけていき
パウンド型も粉糖も買ってきたと思うのです。
買わなくて、今できる方法を考える……。
そんないちばん苦手なことを、この時期だからこそ体験できたと思います。

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このケーキ、焼けたあとに、上からとろりとかける、
クリームチーズと粉糖で作るアイシングがポイントだと思います。
私はヘタクソで、ゴツゴツになっちゃったけれど……。
レモン皮も入れたパウンド生地とクリームチーズが絶妙に引き立てあいます。

そして、自分で手を動かすからこそ、
このレモンはどこからきて、このバターと小麦粉は……と食材への意識が
より強くなっていきます。
これは、今回作ってみて自分でびっくりしたこと。
頭では、「食材がどこからきたか」を考えることが大事と考えていたつもりだけれど、
レモンをギュギュッと絞りながら、
バターをムギュムギュ混ぜながらじゃないと感じられないことがある……。
お子さんと一緒に作るとすごくいいだろうなあと思います。

「やってみる」って大事だなあと、この絵本が教えてくれました。

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ミクさんは、インスタグラムで毎日短い一言をアップされています。(@miku_otuska)
たった一言なのに、ぐっとくる言葉を私は楽しみにしています。
コピーライターは、私のような長い文章ではなく、
一言で言い切るのが仕事。
そこには、言葉を選びとるセンスと、一言に空気を孕ませるような使い方のスキルがあります。

絵本も、子供にも伝わる短いセンテンスが必要。
そこにはきっと、削ぎ落として、少なくして、小さくする、という作業が必要だったんだろうなあと
勝手に想像しています。
シンプルだからこそ本質伝わる……。

みなさま、そんなミクさんの言葉とそこに大きく広がる世界をぜひ体験してみてください。
そして、ぜひレモンケーキ、作ってみてくださいね。

 

このような状況だからこそ、やったことがないことを
やってみよう!と思う……。
そんな毎日を大事にしたいと思います。

みなさま、いい1日を。


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