自分を降りて、脱皮できる人に

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ぎゅっと身を縮めたくなるほど寒いこのごろです。
でも、なんだかやっと冬が冬らしくなった気がしてほっとします。

そんな寒い日のこと………。
手を洗おうと、洗面所でお湯を出しているのに、
いつまでたっても水しか出ないときがあります。
手がどんどん冷たくなっていって……。
「あ、やりやがったな」と思い、見にいくと、
やっぱり温水の主電源が切られているのです。
連れ合いのしわざ。
「出かけるときには切るけど、家にいるときはずっとつけといてもいいじゃん!
私はあなたと違って末端冷え性なんだから!」とプリプリ怒ります。

ところが。
ライター塾で、あやちゃんが手伝いにきてくれています。
お茶を出し、カップを洗って。
これを何度も繰り返して、みんなが暖かいお茶を飲めるように
クルクルと立ち働いてくれます。
ふと気づくと、洗い終わったカップがシンクに並び、温水の主電源が切られていました。
「うわあ、こんなにこまめに切るんだ!」とびっくり。

そっか、私ももう少しマメに切ってみようかな、と思ったのでした。
連れ合いに言うと、「ほらな〜。オレの言うことはちっとも聞かないのに
人が言うことだとすぐ聞くんだよなあ」とブツブツ。

同じことなのに、言われる人によって、言うことを素直に聞けたり
まったく聞かなかったり。
人って不思議ですね〜。

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テニスでコーチから注意を受けます。
「体が開きすぎ! 肩越しにボールを見て!」って。
でも、なかなかそれができない。
ひたすら、向こうのコートへビュン!とボールを打ち込むことばかりに必死になって、
自分の意識を、あっちから、こっちの自分の体へと戻すことができないのです。

いいボールが打ちたい!
結果ばかりに頭がいっていて、
そのためには、自分の体を変えなくてはいけないことになかなか気づくことができません。

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昨日はライター塾でした。
みんなに課題を出して書いていただき、すぐその場で私が添削する、
という形で進めるのですが、
ひとりの整理整頓のお仕事をしていらっしゃる方がいました。
片付けが得意なだけあって、
思考と文章の整理整頓もとても上手。

ただ……。整いすぎた文章は、時に面白みがないのです。
いくつか課題を出すたびに
「読む人を引き込む、面白さを意識してみて」
と言い続けました。

終了時間をとっくに過ぎ、窓の外も暗くなった頃。
最後の課題でその方が書いた文章を読んで、思わず「お〜!」と声が出ました。
隣の人にインタビューをして、その人の仕事について書く、という課題。
今までなら、聞いたことをきちんと整理して書いていたのに、
そこには、
その人について「わからない」と思ったことが綴られていたのです。
私ならこう思うのに、あの人がこうなのはいったいどういうことなんだろう?って。

わ〜、「整える」ということをやめてみたんだな、と思いました。
これってすごいこと。
人が変わる瞬間を目撃するって、本当に感動するものです。

今までのやり方を変える、というのは、簡単そうでなかなか難しい……。
歳をとり、それなりに経験を重ねて、「自分」というものが確立されてくればくるほど、
そんな自分から「降りてみる」ということができなくなります。

でも、新しい可能性を手に入れるためには、
古い殻を脱ぎ捨てて、脱皮することが大事なのだなあと、
改めて思ったのでした。

少しずつ春が近づくこのごろ。
カチカチに固まった自分を脱ぎ捨てて、身軽に走り出してみたくなります。

 

 

今回のライター塾では、かのうかおりさんが「カオリーヌ食堂」として、
我が家でご飯を作ってくださいました。
ぶりの竜田揚げ、おいしかったな〜。

2日目のお弁当は中山智恵さん。カシューナッツコロッケや黒酢酢豚など、
おかずが10種類もぎっしり!
おいしいものを食べると元気になります!
ごちそうさまでした。

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みなさま、今日もいい1日を。

 

 

 


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