東京は朝から冷たい雨です。
先日、「コロモチャヤ」の中臣美香さんから連絡があり、
「お預かりしている『まねしんぼ日記』が全てなくなったので、
新たに注文させてください」とのこと。
嬉しいな〜!とさっそく持って伺いました。
ちょうど去年の今ごろ、この本を作ろうと心に決めたことを思い出します。
昨年の秋ごろから少しずつ色々なショップでお取り扱いいただき、
一度重版もかけました。
「コロモチャヤ」さんでもお店の片隅に大切に置いていただき
そんなにたくさん売れる訳でもないのに、コツコツと売っていただきました。
そして「売れたら終わり」でなく、
またご注文いただいたことが本当に嬉しい!
(ちなみに、岡山のスロウな本屋さんも、ずっと注文をいただき、とてもたくさん販売してくださっています)
普段私たちはたくさん本を作っていますが、
そのどれもが書店に並びしばらくすると姿を消していきます。
どんどん新しい本が出て、古い本は返品されて……。
ものすごいベストセラーになればきっといつまでも置いていただけるとは思うのですが、
せっかく作っても、早ければ半年でなくなっていく。
一生懸命作った本を、もう少し長く売り続けるには、
一体どうしたらいいのでしょう?
そこには、流通の仕組みや本屋さんの事情やいろんなことが絡んでいると思うのですが、
それを「コロモチャヤ」の美香さんに話したら
「アパレルでも同じようなことが起こっているんですよ」とのこと。
確かにファッション業界では特に、流行があるので
どんどん商品が変わります。
でも、美香さんが作るブランド「ホーチュニア コダータ」は
ずっと飽きがこない定番となるアイテムばかり。
私も先日シャツを1枚買いました。
と言ってくれた美香さんに感謝!そして、ちょうどそんな時に読んだ本がこれです。
嫌いだ、面倒だ、よく分からない、なんて呑気なことは言ってられない。
お金の本質をきちんと理解し、上手に付き合っていくことが必須なのだ。
と、お金のプロ6人に聞いた話がまとめられています。
藤野英人さんが登場されていました。
藤野さんは問いかけます。
「お金」と聞いて何をイメージしますか?
なぜかというと、「働いて」手にする「給料」を「ガマン料」と捉えているから。
例えばスマホなら、どうしたらみんなの役に立つだろう?と考え企画し設計する。
工場で生産し、お店で販売する。
そうしてコストが回収され利益が生まれる。
利益は仕入先や従業員に分配される。
無数の人々が繋がって、お金が循環する、ということは
みんながエネルギーを交換しているってこと……。
私も、どちらかといえば、「お金」に対してちょっと「言ってはいけないこと」みたいな
後ろめたい気持ちを持っていました。
この本を売りたい!なんてあまり大きな声で言ってはだめ……みたいな。
でも、よく考えてみれば
印刷所の澤田さんという方が担当してくださり、
小さな書店やカフェやショップの方が販売してくださって、
読んでくださる人の手に渡る……。
「売れる」ってなんて素晴らしいことなんだろうって。
世の中には「幸せなお金持ち」と「不幸なお金持ち」がいる、と語られます。
2人以上の人が存在し互いに関係するからこそ、「他者にとって価値ある何か」を創り出すことができる。
今後AIの台頭などで仕事は淘汰されていくけれど、その中で、どんな仕事が残るのか……というと
「人間らしい仕事」なのだそう。
そして、人間らしい仕事は、感じるということを抜きにはできない。
誰かと出会ってその人の夢や想いに「共感」するからこそ、
互いの持っているリソースを共有して新しい何かを共に創り上げていくことができる。
必ず信頼関係に恵まれ、その結果としてお金が集まってくる。
(とても端折って書きましたが、詳しくはぜひ本を読んでみてください)
心を尽くして本を作ろうと思いました。
せっかく行っていただいたのに、写真を撮るのを忘れました。
美味しいお茶とケーキをいただきながら、「まねしんぼ日記」を読んでいただけたら
いいな〜と妄想する雨の水曜日です。