人に頼ることができないのは、人を信用していないからと気づきました。整理収納アドバイザー  ビジネスコンサルタント takaさん vol.1

どこかにひっそりと隠れている「私はここにいます。誰か見つけて!」
という思いを、誰かにお届けするお手伝いができれば……と始めたコンテンツ、
「私を見つけてプロジェクト」。

今回訪ねたのは、整理収納アドバイザーで、ビジネスコンサルタントもされているtakaさんのご自宅です。
19歳の長男、16歳の次男、15歳の長女と3人の子供を育てるお母さんでもあるtakaさん。
実は、私のライター塾の生徒さんでもあります。

去年の8月ごろのこと……。
takaさんから、1通の悲痛なメールが届きました。

「インスタをのっとられました……」。

なんとなんと!
整理収納アドバイザーの中では、知る人ぞ知る存在。
フォロワー数は2万3000人ほどの人気者だったというのに……。

私も2023年の11月にインスタをのっとられたことがありました。
あの時のつらかったこと……。
いつも当たり前のように配信している自分のアカウントに
ログインさえできなくなり、
なんだか、世界と急にシャットアウトされたような、絶望的な気分になりました。
どうにかしようと、いろんな方法を試しても、まったくうまくいかず、
自分がどんどん疲弊していきます。
幸い、私の場合、奇跡的に約1か月後にアカウントを取り戻すことができました。

その時の経緯をこのウェブサイトに書いたところ、
その後、乗っ取りにあったという方から
「どうしたらいいですか?」と、よくご連絡をいただくようになりました。

インスタって、日々システムや仕様が変化しているので、
当時の私がやったことは、今はもう通用しないかもしれないのだけれど、
乗っ取りにあったつらさは身に染みてわかっているので、
今回もtakaさんに私がやってみたあれこれをお伝えしました。

でも……。
takaさんのインスタは、1年以上が経った今も乗っ取られたまんま……。
実は、この乗っ取り事件が、今回この「私を見つけてプロジェクト」にご応募くださった
大きな理由だったのです。

私が整理収納アドバイザーの資格を取ったのは2018年、
1年後の2019年から、片付けのサービスを始めました。
その集客のツールとして使っていたのがインスタグラムです。
6年間発信を続けてきて、
仕事だけでなく、子どもたちとのやりとりも、
いろいろなものがインスタには詰まっていて、
一瞬で、そのすべてが奪われてしまったような感覚でした。
自分では『インスタグラマーではない』って思っていたけれど、
急にがっくりと心が落ちてしまったんです」

この気持ちは私も痛いほどわかります。
SNSなんかに頼っていない、と思っていたのに、
なくなってみると、いかに自分の1日が、インスタによって支えられていたかに気づきます。

「失ってみて、初めて『フォロワーが2.3万人万人いることが、自分の中の価値』
と、どこかで思っていたことに気づきました。
だからそれがなくなってしまって、『もう、私は仕事もできないかも』と
思うほど落ち込んでしまったんです」

そんな中で、takaさんは知り合いにSOSを発信しました。
「どうか助けて」って。

元来、takaさんは人に頼ることが大の苦手。
どんなに困っても「助けてほしい」と声に出すことは、今までもほとんどなかったそう。

でも、にっちもさっちもいかなくなった今回、
藁にもすがる気持ちで、言わずにはいられなくなりました。

「どうか助けて……」。

この言葉を言えるようになったことが、
takaさんのその後の日々を大きく変えることになりました。

「一度「助けて」と言った知人に、2回、3回と、『まだ取り戻せないんです』
とは連絡するにはとても躊躇しました。
『ちょっと厚かましいんじゃないか』とか
『私は何もお返しができないのに、頼んでばっかりじゃ悪いんじゃないか』って思ってしまうんですよね」

そんな葛藤を繰り返す中で、「頼れない自分」を俯瞰して観察できるようにもなりました。

「私はずっと『誰かになにかをやってもらうには、自分がお返しをしなくちゃ』と思い込んでいたけれど、
いろんな方のお世話になりながら、
返すものがなくたっていいんだ……ということが少しわかってきました。
私が逆の立場だったら、何も返してもらわなくても
その人のためにできることを必死に考えたと思うんです。
だったら、どうして以前の私はできなかったのか……。
そう考えたとき、
そうか、私は周りの人たちを信用できていないんだ、ということに気づきました」

これ、私もまったく同じだったので
「わかる〜〜〜!」と何度も相槌を打ちながら聞いていました。

自分でもできることを誰かに頼んじゃいけないんじゃないか?
何かを頼んだら、お返ししなくちゃいけないんじゃないか?

と私もいつも考えていました。
かわいく「おねが〜い!」と言える友人たちが、羨ましいような、厚かましい気がするような……。

どうしてつい、そう考えちゃうんだろう?
と改めて考えてみたとき、
「そっか、私は負けたくないんだ」と思い至り、呆然としたことを覚えています。

誰かにお願いする、ということは、
どうしても、自分が下、相手が上、と考えがちです。
私はきっと、「下」になることが嫌だったのです。
何かを頼んで、一旦「下」になっても、
お返しをすることで、対等な関係に戻しておきたい……。
そう考えていた気がします。


「私は自分を守るために、これまで人を信じずにきたんだなとわかりました」
とtakaさん。

「私の周りの人は、みんなこんなにオープンに手を広げて
『頼っていいよ』と言ってくれています。
それは、私を信頼してくれているから。
当たり前にみんながしていることに気づいたとき、
私も、そっちにいきたいと思いました」

そうして、まず取り掛かったのが「taka」像を脱ぐということ。

「こういう雰囲気を出していこう」という自己プロデュースや
「自分のことをここまでは言わない方がいい」という計算を全部なくして、
「素の自分」でいこう!と思うようになったそう。

そこで、takaさんが「taka」になった頃のお話を伺ってみることにしました。

それは、専業主婦として家事や育児に専念していた12年間を経た後、
今から9年前のこと。

大学卒業後は、両親のすすめに従って診療放射線技師に。
双子だというtakaさん。
「妹は好きなことを自由にやるタイプ。夜出かけて帰ってこないこともありました。
それに対して、私は『ちゃんとしなきゃ』と「いい子」の役目を演じていた気がします」

結婚して仕事を辞め、3人の子供を夢中に育てるうちに、
あっという間に12年が経っていました。「専業主婦をやりたかったので、楽しい日々だったんですよ」

とニコニコ笑いながら教えてくれました。

それでも、やっぱり「妻」でも「母」でもない「自分」になる時間が欲しい……。
でも、自分になにができるのかわからない。

そこで、思いつくことをとにかく「やってみることにした!」と言いますからすごい!
ベビーシッターや、家での内職、そして雑誌モデルの仕事まで。
でも、どれもしっくりきません。

「自宅でひたすらシールを貼るっていう内職を、夜中に子供が寝てからひとりでやっていて、
泣きそうになって辞めました。
でも、その時私は、『自分が働いてお金を得る』っていう体験がしたかったんだと思います。
子育てをしながら……ということを考えると、当時の私にはそれぐらいの視野しかなかったんですよね」

「ベビーシッターの仕事をしながら、『これは私じゃなくてもいいかも』と思いました。
あの時、あれこれやってみた体験は、
『これは違う』という方向が見えた、という意味では、とてもよかったと思っています。
そして、世の中にあるどんな仕事に自分を当てはめることができるか? というよりも、
まずは、自分が何をしたいかを考える方がいい、とわかってきました」。

この時の経験が、今のtakaさんの「ビジネスコンサル」の仕事へとつながっています。
「ビジネスコンサルでは、『何かやってみたいけれど、何をしていいかわからない』
という相談がとても多いんです。
そんな人たちにはまず、ビジネスより、
自分が何をやりたいかを考えてみましょう、って話すんですよ」と教えてくれました。

そんな中で「整理収納アドバイザー」に興味を持つきっかけとなったのが、
自宅マンションをDIYでプチリフォームしたことでした。

「20代で購入したのは、よくあるいたって普通のマンションでした。
だから『素敵な暮らしなんて、私には縁遠い』って思っていたんです。
でも、子供のトイレトレーニングで、トイレの壁が汚れてしまい、
なんとかしたくで調べてみたら、
DIYでタイルを自分で貼ることができる、と知りました。
自分でも思っていた以上にうまくいって、トイレが自分の好きな空間に変身したんですよね。
そこから、リビングの壁をペイントしたり、押し入れの扉をはずして、
子供たちのスペースに作り替えたり。
せっかく手をかけたんだからと、その様子を『ルームクリップ』というサイトに投稿していました。
それをきっかけに、収納賞をいただいて、
『ルームクリップ』の雑誌の表紙に、我が家を使っていただいたんです」

今、takaさんのお宅を訪ねると、
和室の壁は上品なブルーに。押し入れにはふすまの代わりに有孔ボードが嵌め込まれ、
伸びやかな木のシールが貼ってあります。
最近では、リビングの壁の一面にシックなグレーの珪藻土を塗ったのだとか!

プチリフォームを機に、友人たちに収納や片付けの方法を聞かれるようになってきました。
そんな時、友人の知り合いのひとりに整理収納アドバイザーになった人がいて……。
その友人に『自宅でレッスンをしているそうだから、一緒に行ってみない?』と誘われて
出かけてみました。
そこで、『収納や片付けのスキルって、仕事になるんだ!』と知ったんです」

こうして、整理収納アドバイザーの資格を取得。
ただし、当時はオンライン講座はなく、すべてリアルな受講のみ。
夫は超多忙で子供を預けることができず、資格取得まで2〜3年かかってしまったそう。

やっと整理収納アドバイザー1級に合格しましたが、
そこですぐに、仕事を始めなかったのがtakaさんのすごいところです。

「いくら『資格を取りました』と言ったところで、
誰も知らない私なんかのサービスに、誰もこないなあと思ったんです。
だから、最初の1年間は、お片づけサービスなどは立ち上げず、
ブログを書いて発信したり、雑誌の取材を受けたり、と
自分を知ってもらうことに力を注ぎました」。

こうして資格を取得して約1年後、いよいよ「お片づけサービス」を立ち上げたというわけです。

「すぐに応募があって、お客様が集まってくれました。
その後、自宅でお片づけレッスンを始めたら、これも毎回満席になったんです」

ところが……。
それ以降が続きません。
思うように集客ができず、月に2~3万円ほどしか収入がない、という状態に。

そこで、ビジネスコンサルの専門家に伴走をお願いすることにしたそう。

専業主婦だったtakaさんが、
自宅のDIYを経て、整理収納アドバイザーの資格を取り、
集客に悩んで、ビジネスコンサルを受けた………。

このプロセスすべてが、今のtakaさんの仕事につながっています。
そして、あのインスタ乗っ取りを経て、
今一度、仕事全体を見直してみることにしたのだと言います。

「誰かに頼れる人になる」
「お願いと言える人になる」

次回は、そんな視点で再構築した、今のtakaさんの仕事についてご紹介します。

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撮影/黒川ひろみ

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