ビジネスにおける正直と誠実

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気持ちがいい月曜の朝です。
ウォーキングに出かけると、足元に落ち葉が舞う季節となりました。
時が巡るのは早いですね〜。

 

 

さて、土曜日には吉祥寺のギャラリーフェブで、
「キッチンで読む、ビジネスのはなし」の新刊発売イベントがありました。

 

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本でもご紹介した「ダンディゾン」「ギャラリーフェブ」を営む引田ターセンさんと、
吉祥寺でカフェと洋服のお店「コロモチャヤ」を営む中臣美香さんに
お店を立ち上げる時のお話、
ビジネスにおいて大切だと思っていること、
苦労されていること、
など、本には書いていない、「ビジネス」にまつわるお話を伺いました。

お二人ともお話がとっても上手で、
私は自分も登壇者だということを忘れて、「フムフム」と聞き入っておりました。
内容の詳細は、改めて後日アップしようと思っています。

その中で改めて感じたこと……。
ターセンさんは「自分がやりたいこと」「気持ちいいこと」にとことん正直なんだな〜
ということ。
そして、自分に嘘をつかず、正しいと思ったことをやりきる強さこそ、ビジネスを成功させる
力となるんだなあということ。

 

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パン屋業界の労働状況は、なかなか過酷なのだと言います。
でも、ターセンさんは、それが許せなかった。
4時から仕込みを始めないといけない、とスタッフが言うのに、
あえて「6時からにして」と伝え、
お休みの日数を増やし、
休憩室をゆったりととり、
みんなが気持ちよく働き、仕事だけでなく各々の暮らしも大事にできるようにした……。

一般的に言う「生産性を上げる」こととは、
真逆なことばかりを手がけられた、と言うわけです。

パン屋なんてやったこともなかったというターセンさんとカーリンさん。
でも、「パン屋っていうものは……」という言葉に負けなかった。
自分たちが、「こいうのがいい!」ということにとことん正直だった……。

これって、強くないとできないなあと思うのです。
つい、私たちは、世の中ってこういうものだから……と、
自分が望んでもいないことに向かって頑張りがち。
自分が我慢すればいい。無理するのは当たり前。

そうやって、自分の心を捻じ曲げていると、
一体何のために働き、何のためにビジネスをしているのかさえわからなくなって、
結局、結果もよくない方向へ向かってしまいます。

私は、ずっと「成功するためには、これは我慢しなくちゃ仕方がない」
というマインドで働いてきたような気がします。
でも、それでは、自分の力を120%生かすことができないのかも。

伸びやかに、自由に、正直に。
自分が本当にやりたいこと、やりたいやり方ってどんなのだったっけ?
無理を重ねて、いろんなことを封印したが故に、見えなくなってしまった
「本当の思い」を
草をかき分けて、改めて探してみたくなりました。

 

そして美香さんは、もう喋り方、その佇まい全てから、
誠実さが伝わってくるようでした。

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お店の作り方も、
スイーツや洋服の企画の仕方も、
そしてスタッフやお客様との向き合い方も、
「こうした方がいいのかな?」と迷いながら、
誠心誠意、仕事に向き合う……。
普通なら、「どうしたら、あっちへ行けるのかな?」と成功を急ぎがちなのに、
「私はどうしたいと思っているのかな?」
「お客様は何を喜んでくださるのかな?」
「それが、どうビジネスに結びつくのかな?」
と一つ一つの行程を面倒がらず、丁寧に、時間をかけて、深く掘り下げていく……。

早く結果を見たがる私は、
そんな美香さんの、「誠実に」という心のあり方、時間のかけ方に
姿勢を正された気がしました。

午前と午後、20名ずつ。来てくださった方々は、
本当に熱心に耳を傾けてくださって、うれしかったです。
ビジネスのお話は、ビジネスをするためだけに役立つわけではありません。
それは、日々の過ごし方、暮らし方、生き方につながっているなあと、
今回も改めて感じました。

 

イベントをしませんか?と声をかけてくださった、
ターセンさん、カーリンさんに心より感謝いたします。

今回、「行きたかったのに満席で……」というお声をたくさんいただきました。
12月頃に、またこの本のトークイベントを企画しています。
詳細が決まったらお知らせしますね。

 

みなさま、よい一週間を。

 

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中臣さんと私の間にいるのは、あやちゃんこと山本綾子さん。
この本の文字起こしを手伝ってくれました。
この写真はあやちゃんにお借りしました。

トークイベント中の写真は、編集者の中野さなえさんが撮ってくれました。

 

 

 

 

 

 

 


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