ビジネスピープルからの贈り物

自分がわからないことをわかっていく過程を、誰かのために

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愛媛県松山市で「せいかつ編集室」というウェブサイトを運営され、
そこから生まれたビジネスを手がけている、大木春菜さんにお話を伺っています。

第3話では、「お金を得ることは悪じゃない」という意識について、そして
自分の仕事の価格の付け方について伺いました。

 

今、大木さんのビジネスのベースは、「せいかつクリエイト」の運営と、
色々なショップ、企業、個人のSNSの管理、
そして、今年2月に立ち上げたばかりのオンラインサロンです。
私も、オンラインサロンには少し興味があったので、あれこれ聞いてみました。
オンラインサロンとは、月額会員制のオンラインコミュニティのこと。
参加者は、月額で決まった料金を払い、主催者が投稿するコンテンツを閲覧できる他、
参加者同士で感想や意見交換ができます。

 

今、大木さんのオンラインサロンは40人限定。
月会費2500円で、出入りは自由です。
私もちょっと覗かせていただくと、
「生活の工夫」だったり「マネタイズの部屋」「手帳の部屋」「お仕事シェア」
と様々なコンテンツがあり、
参加者の皆さんが、自分自身のコンセプトを考えたり、
他の人にフィードバックしたり……。

このオンラインサロンを始めるにあたって、
そのしくみを知るために、まずは大木さんご自身が興味を持つ人のサロンに
参加し、実際に体験してみたのだとか。

 

「オンラインサロンに入ってみたことで、私自身の仕事はすごく加速したと思いますね。
SNSの裏側を知ったり、サブスクリクション(継続課金)の仕組みなど、
新しく知ることすべてが刺激的で。
それを誰かに教えてあげられるな、と思いました」

 

 

 

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大木さんは、本当に勉強家です。
いや、勉強というより「体験家」なのかもしれません。

ウェブサイトを立ち上げる時には、
サイトを作るソフト「WordPress」について実践的なスキルを学ぶため
「WordCamp」と呼ばれるイベントに実行委員として参加したことも。

これからの時代、小さくビジネスを始めたり、
自分の好きなことを仕事にする上で、テクノロジーの知識が必ず必要になってきます。
でも、たった一人で起業したり、好きなことを仕事にしようとする時、
「う〜ん、わからないし……」と諦めてしまいがち。
そんな「わからない」を体験によって「わかる」に変えていく……。
そして、「わかる」仕組みを自分で構築し、
それを、周りにいる「まだわからない人たち」にシェアする。

お話を聞くうちに、もしかしたらそこが大木さんのビジネスの本質なのかもしれない
と思えてきました。

実際に、仕事を始めようとする人のために、
数ヶ月間その人のところに通い、
SNSを一緒にアップしたり、WordPressを立ち上げて、
記事を書いてみるなど、
「寄り添って」「一緒に考え」「サポート」するのが、いつもの仕事の形なのだと言います。

 

 

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そして、大木さんはこんな風に語ってくれました。

「私は自分を売るより、人のことをお手伝いしてお金を得たい、という思いがあるんです。
人をプロデュースするのが好きだから。
だから、インフルエンサーという人たちとは、ちょっと立ち位置が違うなあと思っています。
『ブログのアフェリエイトだけで、月10万円稼ぎたい』みたいな人が多いけれど、
お金が先に来るのは、違うなあと思うんです。
それよりも、身近にある自分が大好きなお店が発展する方を選びたい。
人に寄り添いたいなって思います。
すごく親身になって、考えてあげられる自信はあるんです。
その人が良くなる方法を一生懸命考えるし、
オンラインでの見せ方も教えてあげられる。
その人のことを自分が一番大好きだって自信を持って言えるから……」

きっと、大木さんは自分でゼロから学んだからこそ、
人に寄り添い、理解のプロセスに寄り添うことができるのだと思います。

そう考えれば、大木さんが「せいかつ編集室」というビジネスを
立ち上げるまでの経験すべてが、
今のビジネスの種になっているのかも。

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地方にいて、子供がいて、会社に勤めるのではなく、自分で仕事をして
ある程度の収入を得て生きていきたいと思っている人はきっと多いはず。
最後にそんな人たちへアドバイスするとしたら、何かありますか?
と聞いてみました。

「単に稼ぐっていう目的だと、多分うまくいかないと思います。
まず最初に、自分の強みを言語化して、
それに対して何ができるだろう?と仕事を作っていけば、
きっとうまくいくと思うんです。
立ち上げる前に、自分のことを深く考えて
言葉にすることから始めてみると、
回り道に見えるけれど、実は近道なんじゃないかなと思いますね」

大木さんが運営する「せいかつ編集室」のコンセプトは、
「編集の力でファンをつくる」です。
自分の強みを言語化し、見せ方を工夫して、今よりたくさんの人にファンになってもらう……。

つまり、そこには「ビジネスの基本はファンを増やすこと」という前提があります。

まずは、自分がやりたいことを見つける。

なぜそれをやりたいかを言語化する。

「やりたいこと」を応援してくれるファンを見つける。

ファンを育て、ファンを増やす。

お金として還元される。

この流れを見てみると、「これがビジネスなの?」と不思議に思えてきます、
「隣の大好きなお店を応援する」という、ご近所サポート的な形ですから……。
でも、それこそが一番必要とされていて、
一番役立ち、一番誰かを幸せにしてあげられる術のようです。

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特別なことをするわけじゃない。
でも、本当に必要なことは、当たり前の中にある……。
誰かが、一歩先に進むために必要なことがなんだろう?
と一緒に考え、学び、シェアする。
それが大木さんのビジネスの形でした。

誰かの役に立つことで、お金を稼ぐ……。
それは、「自分も困っていたこと」の中から
誰かの力になるための種を拾うということでもあります。

お話を聞いたあと、
私自身も大木さんにそばにいてもらい、寄り添い、助けてもらいたいな、と
自然に思っていました。
「この人なら、きっと親身になって考えてくれるはず」
ビジネスの中で、一番確かなことは、そんな信頼感なのかもしれなません。

 

 

撮影/重岡真美

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