お菓子作りに初めて挑戦したのは小学校高学年の頃でしょうか。
始まりは母が持っていたお菓子の本。
「あー、このグレープフルーツの皮の中に入ってるゼリー食べたいなあ〜」
「カステラやドーナツっておうちで作れるんだ!」
「このお花の形のクッキーきれい、真ん中のドレンチェリーはちょっと苦手だけど、美味しそう〜」
写真を見るのが大好きで、よだれが出そうになりながらページをめくって楽しんでいました。
そのうち作り方も読む様になってある時ふと、「これなら作れるかも…」と思ったのがアイスクリームでした。
母と一緒に大汗かいて、玉子の黄身をお砂糖と一緒に泡立て器でガシャガシャ泡立ててアイスクリームを作ったことは子供時代の楽しい思い出です。
「自分で作ったお菓子が食べられるってすごい!」
小さな感動から少しづついろいろなお菓子を作ってみました。
週末、友達の家に集まってワイワイはしゃぎながらクッキーを焼いたこと。
オーブンが使える様になると、横文字のおしゃれなお菓子を焼いて友達にプレゼントしたこと。
家族の誕生日のケーキを任された時はちょっと大人になった気がしたこと。
お菓子にまつわる思い出はどれも楽しいものばかり。
料理を作ることは学生時代に一人暮らしを始めて必要に迫られて覚えた感が強いですが、
お菓子はどちらかというと遊びの延長線上にあった様な気がします。
そもそも、食べるのが好きで始めたお菓子作りですが、
そのうちひとつの素敵な「気付き」があり好きが深まりました。
それは、私がお菓子を作る時はいつも一緒に食べる人のことを思いながら作っている、ということです。
ケーキを焼く時はホールで、クッキーだってだいたい2-30個は一度に焼けるのですから、
いつだって誰かとシェアするということが想定されているのです。
あの人とあったらこんなこと話そう、こんなこと聞きたいな、この味好きかな、などなど。
お菓子を焼いている時から、その人達と過ごす時間が始まるのです。
そんなわけでちょこちょこお菓子は作るのですが、私はプロのお菓子屋さんではないので、
作るものは隙間の時間にささっと作れるシンプルなものばかり。
中でも、みんなに好評のスフレチーズケーキは事あるごとに作っています。
大勢の友達が集まる時などは、材料を倍にして大きなチーズケーキを焼いてみんなをびっくりさせています。
この大きなケーキをテーブルに運ぶとほとんどの人がまず笑うのが好きなのです。
「これちょっとサイズが普通じゃない!」ってさけびながら(笑)
材料が倍になっただけなのに、インパクトは倍以上。
美味しいやらおかしいやらで、みんな本当に嬉しそうに笑いながらケーキを食べるのを見ていると、
これくらい幸せなことはそうそうないな、と思うのです。
3年前に病気で亡くなった母もこのケーキが好きで、闘病中に「何か食べたいものある?」と聞くと
よく「チーズケーキ」と答えていました。
今では、このケーキを焼いている時は母がすぐそばにいる様な気がします。
「ええにおいするから来たで」って。
ちょっと泣き笑いになりつつ、こんな風に思い出をシェアできるのもいいもんだ、
と肯定的にとらえて母との時間を楽しんでいます。お菓子の持つ魔法かもしれませんね。
皆様、今年もお付き合いありがとうございました。
人が集まる機会の多い年末年始にひとつ大きいのを焼いてみんなを驚かせてみてはどうでしょう?
どうぞ良いお年をお迎えください!
<材料>(φ21cmの平鍋1個分)(材料を倍にして特大サイズを焼く時はφ27cmを使用)
クリームチーズ 225g(電子レンジの弱にかけて柔らかくしておく)
卵 4個(卵黄と卵白に分けておく)
グラニュー糖 100g
薄力粉 25g
植物油 35cc
牛乳 60cc
レモン 2分の1個 (絞っておく)
バニラエッセンス 少々
*湯専用のお湯を用意しておく
*オーブンを170度に余熱しておく
型の底にオーブンペーパーを敷いておく
卵白に砂糖の半量を加え、ハンドミキサーでしっかりとしたメレンゲを作る。
柔らかくしたクリームチーズに残りの砂糖を入れてハンドミキサーでなめらかになるまで混ぜ、
卵黄を入れてさらによく混ぜる。
植物油、牛乳、バニラエッセンス、レモン汁の順に少しづつ入れながらよく混ぜる。
薄力粉をふるい入れ、軽くハンドミキサーで合わせる。
ゴムベラで縁から切るように混ぜてツヤのある生地を作る。
泡立てた卵白を3回くらいに分けて、その都度なじませるように混ぜる。
底にオーブンペーパーを敷いた鍋に流し込む。
2-3回トントンと布巾を敷いた上に軽く落として空気を抜く。
一回り大きいバットなどに入れ、お湯をはり、湯煎にして170度のオーブンで焼く。
30分経ったら温度を150度に下げて20分焼く。
竹串を刺してみて何もついてこなければ出来上がり。
冷めたら鍋から出す。
鍋の縁に一周ナイフを入れ、オーブンペーパーをかぶせ、鍋の口径より一回り大きな皿をのせる。
ひっくり返して、優しく揺すって皿の上に落ちたのを確認して鍋を取る。
底に敷いていたオーブンペーパーを剥がして…
ケーキを載せる皿をかぶせて、再度ひっくり返す。
ジャジャーン!
さあ、デザートにしましょうか〜
こちらは倍量で作った特大サイズのチーズケーキ。
存在感たっぷりでしょう?デザートの時間を盛り上げてくれること間違いなし、パーティーにぜひ!