「美しきワガママンたち」のご紹介も4人目になりました。
ここで、もう一度私がなぜ「ワガママン」に惹かれるかについて……。
ずっと小さなころから、
美しい方がいい。
正しい方がいい。
立派な方がいい。
強い方がいい……
と信じて育ってきました。
でも。
大人になって、
ボロボロの方が美しいこともあるし、
正しくなくてもいいこともあるし、
立派であれば疲れるし
強すぎるとポキンと折れる……。
そんなことがわかってきました。
そもそも、世界を「強い」と「弱い」の二つに分けて、どっちがいいか?と
分類することの無意味さが、やっとこの頃わかってきたような気がします。
ただ……。
ずっと「美しい方を」と選んできた癖がついて、
ぐちゃぐちゃで、混沌として、ファンキーで、意味がわからなくて……。
でもすご〜くチャーミング。
そんな世界をなかなか理解できない自分が情けなくなるのです。
そんな中で出会う、「わ〜、素敵だなあ」と思うチャーミングな女性は、
みんなどこか「偏って」いる人ばかりでした。
「好き」という気持ちが強すぎて、バランスが取れなくて、不器用で、
どこかが欠落していて……。
でも、だからこそ「これ」と手にしたものを
キラキラと輝かせる力を持っている。
自分の中にないからこそ、そんなキラキラに憧れるのかもしれません。
Quoi? Quoi?(コアコア)のデザイナー、久文麻未さんもまさにそんな
ワガママンの一人です。
パタンナーの三代朝美さんと二人でソーイングと手芸のユニット「Quoi? Quoi?」を主宰。
昨年出した「ストンとワンピース」は、重版を重ね、
さらに「綺麗に見える『ひざ下20㎝の服」も好評。
一見どこにでもありそうなのに、どこかが違う……。
久文さんの作る服を見るたびに、
この人は、ものづくりの神様に愛されているなあ〜と
溢れ出るばかりの才能と、手を動かすことへの並々ならぬ愛を感じます。
実は、数年前、雑誌の取材で知り合ったのを機に
我が家で編集者など数人で集まり、久文さんに洋服作りを習う「手芸部」を
開いていました。
生地を裁断することから始まって、その日のうちに縫い上げて、着ることができる……。
そんな時間は楽しかったなあ〜。
いつ会ってもキラキラした目で
「これ、作ったの〜」と語ってくれる……。
4人目のワガママン、久文麻未さんに聞いたお話をお届けします。
撮影/清水美由紀