
まだまだ荷解きの途中で、家の中はぐちゃぐちゃだというのに、
出張で関西へ。
今は実家に泊まっています。
住む場所が変わると、移動の仕方もまったく変わります。
まずは自宅から車で1時間ほどの松本空港へ。
ここから神戸空港まで1時間です。
そして実家へ。
意外とスムーズで早く着き、びっくりでした。
さて、今回の出張は………。

なんと母校からお声をかけていただき、
ひとコマの講義を受け持つことに……。
卒業以来、もう40年近く行っていなかった学校を訪ねました。
タクシーで行ってもよかったのだけれど、
懐かしいので、学生時代と同じコースで
駅から学生さんたちに混じってテクテクと歩いて。
ヴォーリズ建築の校舎は、昔のまま緑に囲まれて佇み
本当に美しかったです。
ちょっと早めに到着して、あちこち見て歩きました。
校庭の端っこにあるテニスコートにも行ってみました。
毎日のようにここで練習し、帰りに駅前の喫茶店に寄って
おしゃべりしていたんだよなあ〜と感無量……。
大学生の頃、私は何者になるかわからなくて、
どんな道を歩けばいいか見えなくて、
ただ、卒業後いい会社に入り、いい人を見つけて結婚することしか
考えていなかったんだよなあ〜。
そのどちらもがうまくいかなくて、
そこからドロップアウトし、手探りでフリーライターになったのでした。
あの時、誰かに「私、どうしたらいいんですか?」と聞きたかった。
そんな思いで、今伝えられることを
後輩たちにお話してきました。

100名ほどの1年生のみなさんは、学部もバラバラ。
実は当日まで、私は何年生の方々が受講されるかを
把握していなくて、
しかも、今の若者たちはいったい何に興味があるのか?
何を知りたいと思っているかもわからず……。
普段のトークイベントだと
私の本を読んでくださっている方や、
暮らしまわりの雑誌が好きな方………など、
だいたいの属性が想像できるのだけれど、
昨日はまったくそれがなく、
どうしようかと最初はドキドキでした。
でも、あの頃の私が知りたかったことを、
そして、上手に話すことよりも、
ここにいる誰かが、たったひとつでも自分の胸に持って帰ることができることを……
とはりきってお話してきました。

先日書いたように、朝ドラ「風、薫る」では、
主人公のりんちゃんは、入院する患者さんの本当の痛みを、
自分のことのように感じることはできません。
看護婦の役目は、
患者さんたちと「同じ思い」になることではなく、
自分たちがプロフェッショナルとしてできることをやり
患者さんたちが回復する手助けをすること。
以前の私なら、トークイベントで登壇するなら、
そこにいる人の思いを知り、
なんとか心を重ね、知りたいことを言ってあげたい………
と思っただろうけれど、
最近、ちょうどこの「自分の本分を知る」ということについて
あれこれ考えていた最中だったので、
昨日は腹を括って、
私が今話すことができる「書く」ことの力について
お話してきました。
自分が「できること」と「できないこと」の境界をきちんと引くって
意外に難しいなあと思います。
でも「できないこと」を無理やり「できること」にひっくり返さず
「できないまま」持っておくという力も
身につけていきたいなあと思うこのごろです。
若くて、これからなんでも挑戦できるまっさらな学生さんたちは
いったいどう聞いてくれたんだろうなあ〜。

講義の最後には、たくさんの熱心な質問もいただき、
嬉しかったです。
さすがに実家に帰り着くとクタクタでした。
さあ、今日はまた飛行機に乗って山梨に帰ります。
みなさま、今日もいい1日を。