ビジネスピープルからの贈り物

サボン・デ・シエスタ 附柴裕之さんvol4

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北海道で石鹸を中心とした会社「サボン・デ・シエスタ」を営む附柴裕之さんに
お話を伺っています。

Vol3では、就職が決まった会社を説得し、会社に出社せずに大学院に残り
研究をしていた高性能ジェルを製品化するベンチャーを立ち上げた経緯をご紹介しました。

「僕はそこでいちばん最初に、会社のつくりかたを教えてもらいました」と附柴さん。

へ〜!会社のつくり方ってどうやるんですか?と興味津々に伺ってみると……。

「たとえば、会社を立ち上げて月収30万円は欲しいなあと考えたとします。
明日から、その30万円を取れる会社ってどうやってつくるのでしょう?
まずは事務所を借りる。
売るものは何にしようかと考える。
売る場所はどうしようと考える。
商品を作るにも、営業するにも時間がかかるし
実際にお金が入ってくるのは、数ヶ月も先……。
そうやって計算していくと、月収30万円とるなんて全然無理だなあ〜。
という結論になります。
その考え方だと一生会社をつくることはできません」と附柴さん。

そうだよな〜。きっとお店を持ちたいと思っても、
紙の上で計算してため息をついて、諦める人ってたくさんいるだろうなあと思います。

だったら、いったいどう考えればいいのでしょう?

「たとえば僕の研究を実用化して、最もうまくいった場合、
5年後とか、10年後にどのくらいの新しい市場を作り出せるか?
その金額的な価値はどのくらいになるか?と考えます。
それを100億円としましょう。
次に、その100億円の市場を生み出すために、どのくらいのお金が必要か?と考える。
それが50億円とする。
でも、最初から50億円出してもらうなんていうのは無理です。
だったら、そこへ向かうためにステップを区切って、
3年後、2年後、1年後とブレイクダウンし、1年間に必要なお金を1億円とする。
まず、そこに投資してもらえるようなプランをつくって、しかるべき人に出してもらうんです。
その時点では、損益、つまりいくら入って、いくら残るかは、あまり関係ありません。
100億円の価値を作り出せる事業があって、しかもそれは、誰が考えても、絶対にやるべきだ、
となったら、誰も出資を断ることはありません。
問題は、出すお金があるかどうか。

そして、もうひとつ大きな問題があります。
100億円の価値を生み出す可能性があったとしても、20代だった僕がそれを実現させる
ノウハウなんてわかるわけないですよね?
でも、その可能性を信じられる人が集まってくれればいい。
信じれる人がお金を出してくれればいい。そのあとは、チームを組めばいいんです」

う〜ん……難しい……。
私には、やりたいことがあったとき、誰かにお金を出してもらう、つまり出資してもらう
という考え方がまったくなかったため、
附柴さんのこのベンチャー的会社の立ち上げ方は驚きでした。

「私にはお金がないから……」と諦めてしまうのではなく、「お金は持っている人から
出してもらえばいい」と考える。
ビジネスを立ち上げたいとき、「誰か」の力をいかに、自分の中に取り込むかが
成功の鍵なのかもしれません。

それにしても、「100億円の価値」をまずは、自分が信じられなくてはいけません。
私にとっては、それが難しい!
どうしたら、自分がやっていることを信じられるようになるのでしょう?

すると、附柴さんは「PDCA」という言葉を教えてくれました。
P=Plan まずは計画を立てる
D=Do  やってみる
C=Check やった結果をチェックする
A=Action  結果が計画に沿っていない部分を見つけて改善するなど、次のアクションを起こす

これを繰り返し、繰り返しやっていく中で、計画の精度を高め、計画を確信へと変えていくそう。

 

 

「僕が理系の大学院で取り組んだのは、科学の研究でした。
そこでは、このPDCAの繰り返しなので、自然に身についたんですよね。
まずは、こういうものを作ったら、あるいはこういうサービスを提供したら、
こんなことが起こるはずだ……という仮定があります。
そして、実際やってみて、結果を知る。思ったのと違う結果になれば、何かを変えてみる。
よりよく実現できる方法を考える……の繰り返し。
このプロセスをきちんと踏めば、絶対にうまくいきます。

みんな、この過程でいろんなことを諦めちゃうんですよね。
そうじゃなくて、120%全部諦めない!
そうやって、本気で取り組んでいくうちに、本当にやりたいことが見えて、コトがうまく
回り始めます。
これだよな!と僕は思いました」

 

そして、附柴さんは最後にこう付け加えました。

「つまり、新しいことをやろとするときには、『効率』を考えちゃいけないってことなんですよ」

なるほど〜!
これは名言だな〜と感心せざるを得ません。
「何かをやってみたい、始めたい、ビジネスにしたい」
そう考えるとき、最初から「うまくやってやろう」なんて考えちゃダメってこと。

ビジネスにかかわらなくても、自分の生活を見直してみると、
「PDCA」なんて、面倒でほとんどやらないなあと思い至りました。
私は、特にすぐに結果が出ないとイヤなタイプ。
なるべく、寄り道しないで、最短距離で、何かを成し遂げる方法はないかなと考えます。

でも、本当の本当に心の底から「やりたいこと」が見えてきたら……。
たとえば、このサイトを立ち上げたり、自分の書籍を企画したり……。
大きな目標を持つと、自然に試行錯誤をして、ああでもない、こうでもないと悩み、
よりよい方法を探っていたなあと思うのです。
みなさんも、たとえば自分の家を建てたい、と思ったら
素材を調べたり、パーツを探しに行ったり、間取りを描いてみて、また消して……
とあれこれ模索するはず。
つまり、「PDCA」が目的になると、やりたくないけれど、
その先に「夢」があれば、無意識のうちに「PDCA」をやってしまっているってこと。

 

附柴さんが教えてくれたのは、手元ばかりを見つめがちな視線を上げて、
遠くを見つめてみるということでした。
最初に「正攻法のやり方」を求めると、つまづいてしまうけれど、
「あそこに行きたい」と、自分の目指す場所に旗を立てれば、
そこへいく道は、こっちを進んでダメならば、戻ってあっちへ行ってみる……
と、いくらでも、その方法を変えてトライできる……。

「石鹸以前」の附柴さんのお話が面白くて、
なかなか「サボン・デ・シエスタ」のお話までたどりつきません。
次回はいよいよ、石鹸づくりのお話を伺いたいと思います。

 

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