美しきワガママンたち

写真家 回里純子さん No2

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実は、回里さんは私の「ジュリ友」でありました。
そう、つまり沢田研二さん=ジュリーのコンサートに一緒に行く仲。
中学生の頃、ジュリーが大好きだった私は、
その後自分の恋愛や、仕事に必死になり、
ジュリーのことは忘れてしまっておりました。

そして5〜6年前に、回里さんと一緒に仕事をしたときに
なんと、もともとジュリーファンで、コンサートに通っていたことが判明!

「え〜〜〜! 今度一緒に連れてって〜〜!」
とお願いしたのでした。
そうしたら、本当にチケットを手配してくれたのです。

よくよく聞いてみると
さぞかし忙しいだろうに
回里さんは、いろいろなミュージシャンのコンサートやライブに足を運んでいました。

「高校時代、ちょっとだけコピーバンドやってたんです。
本当はRCサクセションをやりたかったけど、女子バンドだったから
シーナ&ロケッツのコピーとか」と回里さん。

 

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写真に興味を持ったのも、ミュージシャンを撮影したい、というのがいちばん最初の
きっかけなのだそう。

「短大時代、RCサクセションのライブに行ったときに、
ギターのチャボさんの奥様が、当時としては珍しい女性のカメラマンだったんです。
いちばん大好きな人の写真を撮って、それが仕事になるなんて、
なんて素敵な職業なんだろう、と思いました。
それで一眼レフを買ってみたんです。
ちょうど次の日、友達のライブがあったから、
当時まだフィルムの時代でしたけど、
撮ってみたら、とっても喜んでもらえました。
写真でこんなに喜んでもらえるんだ! ってことが驚きであると同時に嬉しくて……。
もしかしたら、私写真を撮れるのかも?
と思いましたね」

そして。
ここで例の「グワ〜ッ」のスイッチが入った!

「好きなソウルやブルース系の海外のミュージシャンを日本に呼んでくる
イベンターの会社があったんだけど、そこに電話をして
『私は写真を勉強していて、音楽の写真を撮りたいんだけれど、
来日したミュージシャンの写真を撮らせてもらえませんか?って頼んでみたんです。
そうしたら、『いいよ』と言ってくれて」

なんとなんと!
突然電話をかける勇気も相当なものですが、
写真を撮り始めたばかりというのに、ミュージシャンの写真を、
現場で撮っちゃうという勇気もすごい!

「大好きローリングストーンズのロン・ウッドなんかもきてたんですよ。
日本なら憂歌団とか……」

 

ちょうど短大卒業が迫り、就職活動で証券会社などに面接に行きつつ、
写真の道にすすもうか悩みに悩んだそうです。

 

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「あまりに基礎がわからないから、とりあえず3か月ぐらいの短期で
の写真教室に行ってみました。
その先生が面白くて……。
宿題が出るんですけど、たとえばテーマが「赤」とか「青」なんですよ。
つまり、画面の中で赤が際立つように撮ってくればいい。
その撮り方とか、何を撮るかはなどは、なんでもいいんです。
アイデア次第。
ヘッドライトで赤いラインができるとか、思いつく限りのことをやっていきましたね。
すごく楽しかったですよ」

そして、結局その先生が主催する写真事務所に就職。

「広告系の仕事が多かったので、料理からインテリア、人物まで
あらゆる現場を体験できたのがよかったですね」。

 

なにかをやってみたい……と思うとき、
その扉を開ける方法は、ほとんどの場合、正面突破しかありません。
私もOLを3年間やってから、編集プロダクションを経てフリーライターになったけれど、
フリーライターになる方法なんて、誰も教えてくれませんでした。
「何者かになる」ということは、「何者かになるための道」を
自分で作ることなんだろうなあと思います。

そして、その最初の一歩は、
「あれが好き」という本当に単純なことなのかも。
ミーハーでもなんでもいい。
ジュリー大好き、RC大好き、ストーンズ大好き。

「そのこと」に熱中している中で、細い細い道が見えてくるのかも。
ワガママンになる第一歩は、大いなるミーハー心なのだろうと思います。

学食で友達と仲良くご飯を食べて、あれこれおしゃべりしている姿は
どこにでもいる女子学生だったはず。
でも……。バイバイと分かれた後に
たったひとり、カメラをかかえてライブハウスへ、そして写真教室へ通った
回里さんの真っすぐさを思うと、なんだか胸が熱くなります。

こうしていよいよフリーの写真家への道へ。
次回は、独立してからのお話を伺います。

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