美しきワガママンたち

ノマディカ主宰 南加奈子さん VOL3

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専門学校を卒業後、イギリスに1年間語学留学をしたという南さん。

「18歳のときに、ひとりでイギリスに2週間ぐらい旅行に行ったんです。
そのときに、ものすごくカルチャーショックを受けて……。
また、ここに戻ってきたい、って思いました。

海外に出るのも、一人旅も初めてだったからかな。
いちばん衝撃だったのは、
リヴァプールでポール・マッカートニーを見たとき。

もともと、たくさんの人が影響を受けている、ビートルズってなんなんだろう?って
ずっと思っていました。
それで、せっかくイギリスに行くのなら、彼らの出身地、リヴァプールにも行こう!と決めていて。
たまたまポールが「リヴァプール・オラトリオ」公演にやってくることを現地で聞き、チケットを手配。
終演後、すごい数の人たちが会場の外で渦巻いていて、
遠くからポールが見えました。
全盛期のときとはまた違う、年を重ねた姿が圧倒的な存在感でした。

今まで「あっち側」にあったものが、急に目の前に現れた!
それは強烈な体験でした」。

専門学校に入ったときも、イギリスへ行ったときも、
南さんの「学び方」は、「そこへ行く」というものでした。

「それ」が何かわからなくても、「それがある場所」へ行ってみれば、
必ず何かがわかる。
逆に言えば、いくら頭で考えても、その場に足を運ばなければ
本当のことはわからない……ということ。

これは、私の今の仕事にも言えることです。
「暮らしのおへそ」で誰かを取材するときには、
必ず事前に打ち合わせをします。
ただし、地方で遠くて、打ち合わせができないときは、
電話やメールでやりとりをして、コンテを作ります。
でも……。
本取材に行ってみると、
打ち合わせで「きっと、ここがキモ!」と思っていたのに、
全く違う「キモ」が見つかってしまうのです。
そして、現場でカメラマンさんに、予定とは全く違う場面を
「あれ撮って!これも撮って!」とお願いし、
感じるままに取材をし、
素材を持ち帰って、またもう一度組み直す……
ということが多々あります。
行ってみないと本当のことはわからない、と取材の度に思います。

 

一見おとなしそうに見える南さんが、「これが知りたい」と思ったときの
行動の大胆なこと!

そうやって、体から、自分の毛穴から、吸収したものは、
確実に自分の中に蓄積するのだなあと思いました。
そして、私も「何かが知りたい」と思ったら、「学ぶ」のではなく「感じる」
ことを大事にしよう、と思ったのでした。

 

_mg_3891 撮影 近藤沙菜

 

帰国後は音楽事務所に就職。
ミュージシャンのためのマーケティングを担当したそうです。

「楽曲と本人像からファンの姿を予測し、
データを取った上で、方向性や宣伝方法を出していく仕事でした。
いろいろな街に出かけて、曲を聞いてもらいアンケートに答えていただいたり。
だんだん会っただけで、その人の好みや反応がわかるようになってきますね。
そうやって集めた要素から、こういう場合は田園都市線で広告を打とうなど、
具体的なプランを出していきました」

へ〜!と思わず身を乗り出して聞いてしまいました。
雑誌でも、読者が何を望んでいるのか、と考えることはよくありますが、
実際にマーケティングをしたことはなかったので……。

 

ただし、立ち上がったばかりの会社だったので、給料は激安。
南さんは、夜はバーでアルバイトをしていたのだとか。

「金銭的なことは、まったく気にしていなかったですね」
と聞いて驚きました。

当時21歳。

私がその年齢の頃といえば、大学に入り、テニスをやって、どうやったら男の子に
モテるかしか、考えていなかったような気がします……。
なのに、南さんは、しっかりと自分が「やりたいこと」を手にし、走り続けていました。

その後2回の転職を重ね、クリエーターのマネイジメント事務所へ。

そこで見つけたのは「人をマネイジメントする」という面白さでした。

次回は今につながる、南さんのお仕事について伺います。

 

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