人生の後半も、足元の花を楽しめる日々に

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暑いですね〜!
私は、「暮らしのおへそ」の次号の取材がすでに始まり
あっちこっちへ飛び回っております。

さて、「暮らしのもやもやを、整える」は読んでいただいたでしょうか?
この本の中で、6年ぶりにひぐまあさこさんの取材をさせていただきました。

おへそ別冊シリーズの第一弾「暮らしを、整える」に出ていただいたのは6年前。
ブログ「ひぐま家の生活」が大人気で、この取材の後に本も出版。

あれから6年。
3人のお子さんたちはすっかり大きくなり、びっくり!
そして、ひぐまさんご自身にも色々な変化があり、
そのスイッチの切り替えに驚いたのでした。

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まずは、あんなに人気だったブログをすっぱりとやめ
末の娘さんが小学校に入ったのを機に
「ドトールコーヒー」でアルバイトを始めたそうです。

「これ、私が描いたんですよ」
と見せてくださったのが、ケーキの紹介のポップや、
スタッフのために作った「ジャーマンドッグ」「レタスドッグ」などの作り方のポイント
をまとめたマニュアルなどなど。

子供達の幼稚園のイベントのために描いていた
イラストの腕がここで生きたのだとか。

ひぐまさんは、これらのイラストを特にお店から頼まれたわけではありません。
「これがあったらお客様に新商品がわかりやすいな」
「既存のマニュアルは文字ばかりでわかりにくいな」
そう感じた時に、
「自分にできること」を見つけて形にしていっただけ……。

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ひぐまさんにとって「どこで」働くか、
「何の」仕事をするかは、大した問題ではないのです。

どんな場所でも、そこでできることを見つければ、
その仕事をクリエイティブなものにしていける……。

「与えられた場所で花を咲かせられればいいんです」
というひぐまさんの言葉に深く納得しました。

思い返せば、私もライターとして駆け出しの頃、
なかなか好きな仕事ができませんでした。
海外のガイドブックや、
日本の街ガイド、
節約アイデアのページや、100均グッズを使った収納特集などなど、
あんまり楽しくないページが仕事の90%ぐらいを占めていました。

そのころは、「与えられた場所で花を咲かせればいい」とはなかなか考えられず
「あ〜あ、もっと素敵なページを担当したいなあ」とため息をついたものです。

それでも、「あ〜あ、何だかいやだなあ」と思っても、
仕事をはじめてみれば、どんな小さなページにも、発見があり、
どんな仕事も勉強になりました。

どんな場所でも「できること」を見つける……。
このことは、これから人生の後半になると、ますます重要になるかなあと思っています。
バリバリ仕事をしていたのに、
だんだんできなくなり、
大きな仕事をしていたのに、小さな仕事しかできなくなるかもしれません。
その時に、ちゃんとスイッチを切り替えて
手元の花を見つけられるか………。

突然ですが、わが父は、高度経済成長の中で働いてきたモーレツサラリーマンでした。
定年後にどうなっちゃうんだろう?と心配しましたが、
フランス語を習ったり、
60歳を過ぎて始めたパソコンで、家系図を作ったり、
昔の仕事のレポートを作ってみたりと、あれこれお楽しみを見つける様子に
意外な一面を見ました。
今年86歳ですが、この夏ははじめてかっこいい帽子を買い、
「どうや?」と見せてくれました。

足元の小さな花に気づき、
それを愛で、楽しめる人生を歩きたいなあと思います。

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