自分に揺さぶりをかけるって?

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今日は日差しが明るくて、爽やかな風が吹いています。

先日、松屋銀座で開催された「銀座・暮らしの商店街」というイベントに行ってきました。
というか……。
知人との待ち合わせがこの会場だったのです。

私は人混みもパーティも苦手で、最近滅多にこういう集まりには行かなくなっていました。

でも……。
会場に到着してみると、あちこちに見知った顔が!
「わあ〜!元気?」と挨拶したり、「久しぶりだね〜、どうしてる?」と話し込んだり。
知り合いが、その知り合いを紹介してくれて、新たな世界を知ったり、
なんだかとても刺激的な時間を過ごしました。

上の写真は出店されていた「あたらしい日常料理 ふじわら」さんで買った
「カレーのもと」と「パクチーレモンオイル」です。
新しいものをゲットすると、帰ってからの料理の時間も楽しい!

「そっか〜。こういうところに足を運ばないと、こんな刺激を受けることもないんだなあ〜」
といつものモノグサを反省……。

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そして、帰ってからそんな私にぴったりの文章を見つけました。
私は、為末大さんがご自身のHPで連載されている「私のパフォーマンス理論」
というのを愛読しているのですが、
その日のタイトルが「停滞について」でした。

為末さんのこの連載、アスリート向けに書かれているのですが、運動をしていない私が読んでも
毎回たくさんの発見があります。

長く競技をやっていると停滞状態に入るそうです。
「人によってはこれを安定と呼ぶこともあるのかもしれない。
こうした時期が長く続くと、自分のモチベーションも低くなる」
と綴られていました。

この状態からどうやって抜け出すか……。

「すごく乱暴に分ければ選手やチームの状態は混沌と秩序に分けられる」と為末さん。
選手は、最初は自分の状態や、技術、どんなトレーニングをしたらいいか、
など全くわからなくて「混沌」の中にいます。
そこから経験を積んで、徐々に「秩序」の状態へと向かう……。

この「混沌」から「秩序」へ向かうプロセスの中で、パフォーマンスが高まるのだとか。

そして「秩序」へとたどり着いてしまった後に、「停滞」がやってきます。
「秩序は一定期間を過ぎれば腐敗する」とも書かれていました。

そんな「混沌」を抜け出すためには
『私は、揺さぶりが重要だと考えている」と。
為末さんご自身も、選手時代に停滞を感じると自分を「揺さぶって」いたのだそうです。

「揺さぶるためには、何かを大きく変えることが良かった。
私の場合は、場所を変えるか、会う人を変えることが良かった。
(中略)
もう一つ、一度ぴたりとやめてみることも停滞を抜ける上で効果がある。
人間は、ほとんどの時間を習慣の中で生きている。
自分で決めているようで、自由に考えているようで、
これまでやってきて体に染み付いている動きや考え方に基づいて生きている。
そして習慣を生きている時に、
それがただの習慣だとは人は気づかない。
だから一度やめて全体を眺める必要がある」

そして最後にこう結んでありました。
「秩序自体は悪くない。何かを安定的に生み出し続けるためには
混沌より秩序の方が圧倒的に望ましい。(中略)
秩序状態はそこそこの成長は生んでも人を爆発的には成長させない。
混沌は苦しい。しかしだからこそ人は成長する」

なるほど〜!と食い入るように読みました。
いつもと違うどこかへ出かけていくと、
いつもと違う出会いがあって、アスリートほどではなくても、
小さく自分の心が揺さぶられます。
今まで「当たり前」だったことが「当たり前」でなくなったとき「混沌」が始まる!
その時が、成長するチャンス!ということかも。

歳を重ねていくと、だんだん「安定しておきたい」と思うようになります。
それは悪いことじゃないと思うけれど、
時々、自分で自分に「揺さぶり」をかけたいなぁと思いました。

 

 

為末さんのサイト、とても面白いのでぜひ読んでみてください。

 

 


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