「やめられない」から「やめる」までに何が起こったのか?

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今日から令和となりましたね。
なんだか不思議な気分がします。

連休中ですが、取材で福岡に来ています。
さて、皆さま、拙著「大人になってやめたこと」(扶桑社刊)は
お手に取っていただけたでしょうか?
私は、今回の本で、この見返しのなんとも女らしい、
でもちょっとキリッとした色が大好きです。

 

実はこの本、編集者からお話をいただいた時、
「一田さんが、毎日やっていること、今始めたことを書いてください」という希望でした。

でも……。
私が興味があったのは、提案とは逆に「やめること」だったのです。
彼女はまだ若く、何かを「始める」モードだったのかもしれません。
でも、私は50歳を過ぎて、今まで抱え込んできたあれこれを取捨選択して、必要ではないことを手放し、身軽になりたい、と考えていたのでした。

そして、今まで「どうしてこう思っちゃうんだろう?」
「どうしてクヨクヨしちゃんだろう?」と
思ってきた「思いクセ」のようなものを、どうして手放せないのか、思い切って手放してみたらどうなるのかが、
ようやく、分かるようになってきてもいました。

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ずっと人の目が気になって、相手に合わせて自分を変える。
そんなカメレオン体質がずっとイヤでした。
でも、たとえ人と真逆な意見でも、「私はこっちがいいと思う」
と思い切って声に出してみたら……。

『あれ?言っちゃって大丈夫じゃん!」と気づきました。
周りの人は、そんな意見を持った私を、ちゃんと認識してくれました。
「一田さんは、そういう意見を持った人」
とわかってもらうことは、
お腹の中と言葉が違うカメレオンでいるよりも、
ずっとラクだとわかってきました。

お腹の中にある「本当のこと」と「声に出すこと」が
一致した時は、こんなにも気持ちがいいものだ、と知りました。

もちろん、今でも場合によっては、
人の顔色を伺ったり、言葉を呑み込むこともあるけれど、
一つの「気持ち良さ」を知ったことは、
私にとって大きな発見でした。

 

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明日でいいことは今日しない。
これも最近教えていただいたことでした。

つい前倒しで、「明日のことをやっておけば、きっとラクになる」
と思いがち。
でも、明日には、また明日やらなくちゃいけないことが
むくむくとわいてきます。

どうして私にはコレができないんだろう?と考えると、
10力を持っていたら、10使い切らないと気がすまないんだ、
と気づきました。
使い切らずに9使って、1残す。
その1で、自分を休めてあげよう……。

今でも、ふと気づくと「アレもしなくちゃ、これも」と思っている
自分がいます。
でも、「私は10使い切る人だから」と自分のことがわかっていると
「よし、やめ!」とノートを閉じることができます。

完全にやめることができなくても、
どうしてやめられないのか、が見えてくると、
暮らしが変わってくるように思います。

この本では、そんな「やめられない」から「やめる」への
私の中での変化を書きました。

そんなプロセスが、読んでくださる皆さんの
どこかにカチッと繋がって、何かのヒントになれば
いいなあと思っています。

皆さま、良い1日を


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