本当に忙しいんじゃなく、「忙しがって」いただけ?

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ひと雨ごとに春が近づいているようです。

さて、先日髪の毛を切るのに、予約していた美容室へ向かっておりました。
代官山について時計を見て「あれ?」と気づきました。
なんと!1時間早い!
大急ぎで来たのに、時間を間違えていたのです。

ぽっかり生まれた空白の1時間。
どうしようか?と考えて、すぐ近くだった代官山蔦屋書店へ向かいました。
実は、何度も行っているのですが、
いつも目的の本を買って帰るだけだったり、
トークイベントをするためだったり、
以外にゆっくり本を見て回る機会がなかった……。

 

持ち時間は1時間もあります。
料理書から始まって、旅、アート、ビジネス、文学と
ゆっくり、ゆったり見て回った時間の豊かなこと!

さすが、蔦屋書店さん、
あの本の横にこの本が並び……とそのセレクトの素晴らしいこと!
ネットで本を買うことが多くなったけれど、
やっぱり本屋さんって、思いもしなかった本との出会いがあって、いいものだなあ〜と
しみじみ思いました。

つい、あれもこれもと欲しくなりましたが、
グッとこらえて選んだのがこの2冊。

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そして「急がない」って大事だなあと改めて思ったのでした。
インフルエンザにかかって以降、
無理をしないで、早く寝て、免疫力を上げて……と思ってきました。
そして、この日、「ゆっくり書店を巡る」という機会がやってきた……。

どうやら、今年の私は
今まで素通りしてきたものを、しっかり見る、
というテーマを
天から与えられている気がします。

帰りがけに、ものすご〜く久しぶりにヒルサイド・パントリーへ。
30代の頃、今のように食材のお店が豊富ではなくて、
ここに来ないと買えないものがたくさんありました。

大橋歩さんや、津田晴美さんのエッセイを読んで、
真似してこの店でいろんなものを買ったな〜。
一時期ずっと、ここのパンドミを買っていたな〜。
と一気に「あの頃」に戻りました。
あの頃は、時間が有り余るほどあって、
ウィンドーショッピングしながら、
ものを見て歩くだけで楽しかった。
ショッピングしながら、毛穴からいろんなことを吸収していた時期でした。
そんな若き頃の自分を、愛おしく思い出しました。

 

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世の中には「本当に忙しい人」と「忙しがっている人」がいる、と言います。
私は、ずっと忙しがってきただけじゃないか、と反省しました。
本当は、急いで次に行かなくなって、1時間ここで過ごしたって良かったのに、
つい、早く進みたくなる…….
でも、たまには、ぽっこり1時間の空き時間を使って
書店をぶらぶらすれば、
それだけで、いろいろなジャンルに興味のアンテナをピピピッと反応させ、
過去へもワープして……と
「いつも」では見えないものを見て、知って、考えることができます。

ふ〜っと深呼吸して、
おいおい、ちょっとゆっくり歩いてもいいじゃないかい?
と自分に言ってあげよう、と思った1日でした。


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