今年1年、読んで下さってありがとうございました!

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とうとう今年最後の日となりました。
我が家は障子を張り替えてさっぱり!
そのほかの場所は、大掃除が終わっていなくて、来年に持ち越し……。
本棚の整理とか、キッチンのシンク下とか、靴箱の中とか……。
以前の私だったら、何が何でも大晦日までに終わらせようと躍起になっていたと
思いますが、
まあ、ぼちぼちやればいい、と思えるようになったのも、歳をとったせいかもしれません。

午前中に仕事をして、午後から「もひとつ掃除」を。
このペースで一日1箇所を掃除する。
そうすると疲れないし、何より手が丁寧になります。
「終わらせる」ことを目的にすると、とにかくゴールまで早くたどり着きたくて
雑になってしまう。そんな自分をよ〜く知っているので、
あま、焦らず1月も「もひとつ掃除月間」にすることにします!

 

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今年最後に、我が家に取材に来てくれた
カメラマンの砂原文さんにご自身の写真集「pili」をいただきました。
開いてみて、息を飲みました。
なんて美しいピンク色!

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砂原さんが通っているモロカイ島の空なのだそう。

その中の1ページにこんな風に書いてありました。

「『ALOHA SLOW DOWN
THIS  IS  MOLOKAI』

強烈な光の中、ホオレフア空港を降りると
出迎えてくれたのはこんな言葉」

 

走り続けた今年1年。
その最後に、この写真とこの言葉に出会えて、
昨日と同じ部屋にいるんだけれど、
心がす〜っとスロウダウンしていく気分が味わえました。

この写真集、ページを繰るたびに、本当に心が洗われて
どんどんクリアになっていく気がします。
それは、誤解を恐れずに言えば、
そこに砂原さんがいないからなじゃいかなあと思いました。
圧倒的な自然と、そこに流れる光や風や温かい人を、
そのまんま撮った写真は、
作為がなくて、す〜っと心に流れ込んできます。
人は、つい「自分が撮った」「自分が書いた」「自分がやった」
と言いたくなるけれど、
素晴らしい風景の前で、そんな自我なんてなくなってしまい
砂原さんが無心で、シャッターを押したからこそ
見る人みんなの心に流れ込む写真になったんじゃないかなあ。
でも、そんな透明な心になった砂原さんは、確かにそこにいて
彼女じゃなければ撮れない写真なんだろうなあと、
勝手な解釈でそんなことを思いました。
そして、私もそんな文章を書いていきたいなと思ったのでした。

 

 

今年1年間、この「外の音、内の香」を読んでくださって
本当にありがとうございました。
イベントなどで「いつも読んでいます」とか、「元気になれます」と
声をかけていただくと、本当にうれしかったです。
「毎朝、家族の朝ごはんをバタバタ作り、バタバタと仕事に出かけて
電車の中でやっと座れて、読むのが楽しみなんです」
と言っていただいた時にも、本当に続けてきてよかった、と思えました。

たった一人でサイトを立ち上げるなんて、
続けていけるだろうか……と思ったけれど、
少しずつ、自分の「場」として育っていることを実感しています。

来年も、外で聞いた「音」
それを自分の中で消化して内側から立ち上る「香り」を
お届けできればと思います。

みなさまよいお年をお迎えください。

 

 

 


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