私にとっての「書く」ということ

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は〜〜〜!
たった今、「暮らしのおへそvol27」の最後の原稿を書き上げました。
これで全ての原稿が終了です。

あ〜、疲れた!

お一人お一人、ご自宅やお店に取材に伺い、話を聞いて撮影をして。
すご〜く感動したり、刺激を受けたり。
でも、実はその時にはな〜んにもわかっていなかったんだ、
と思い知るのは、さあ、原稿を書き始めましょう、という時です。

えっと。わたしは何を聞いたんだっけ。
何にあんなに感動したんだっけ、
とパソコンに向かっても、一言も出てこない……。
キーボードの上で1ミリも手が動かない……。

心を静かにして、取材の時に自分をワープさせ
思い出し、聞いたことをもう一度反芻し……。
そして、思いつくままに文章を打ち始めます。

 

以前このサイトにも一度書いたことがありますが、
わたしは要点をまとめて何を書くかと考えをまとめて……というプロセスを踏まずに
ダイレクトに書き始めるタイプ。
ダダ〜ッと思いつくままに書き進めるうちに
あ〜、そうだった、こんなことも聞いた、そしてわたしはこう感じたんだった、
と思い出してきます。
それを吐き出すように書く。
すると、大抵規定の文字数の2倍、3倍の量になってしまいます。

 

そこから読み返して、あっちをこっちに移動したり
「あ、そうそう」と書き足したり
「これはいらない」と削ったり。
この作業が時間がかかる……。
ついには、「やっぱり違う」と全部書きなおすことも……。

 

苦しいけれど、この作業こそがわたしにとってなくてはならない時間なのです。
書いているうちに
「あ、そうか!わたしってこんなことを考えてたんだ」
と考えがだんだんまとまってきます。
自分の手が書いたことなのに
「へ〜、私って、こんな風に思ってたんだ」とびっくりすることもしばしば。

 

つまり、「書く」ことは私にとって「発見」なのです。
自分の中にすでにあるものの発見……。

 

一度聞いただけのこと、知ってるつもりになっていたこと、
感動したと思っていたこと
は、全てモヤモヤとした煙のような存在で、私の中に在ります。
「書く」ことで、その煙の正体がなんなのか、
輪郭をつけていく感じ……。

輪郭を見つけた時の快感といったら!

じぶんの中にバラバラに点在していたものが、
一つに「統合」されていく気持ちよさです。

 

 

時には、その書いたことが思い違いだったり、もっと深いところに何かがあったりと
書いても書いてもゴールにはたどり着かないけれど、
やっぱり私は書くことが好きなんだな〜。

 

皆さんにもこの「書く」快感を味わっていただければいいな〜
なんて思います。

 

 

「暮らしのおへそ vol27」は来年1月31日発売です!

 


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