ライターズ・マルシェ

“心”が思うからこそ行動する。行動を積み重ねることできっと夢は叶う。谷匡子さんVOL.5

「doux.ce」を主催するフラワースタイリストの谷匡子さん。
これまで長男(26歳)、長女(23歳)、次男(17歳)、三男(12歳)の
4人のお母さんでもある谷さんに子育てについて伺ってきました。

vol1〜はこちらを。

子供を育てながら仕事を続けるには、
やりくりも必要ですが仕事の技術を身につけることも大事だと思います。

今回は、お仕事についてお話を伺いました。

 

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元々、谷さんは体育教師を目指していたそう。

「中学・高校時代には部活でテニスをやっていました。
部活を通して弱かった体も健康になり、精神的にも鍛えられたので、
自分も体育の先生になってテニス部の顧問になりたかったのです。
そこで体育大学に進学したのですが、テニスのチームメイトは有名な人ばかり。
レベルが高すぎて自分には無理だと思い、新体操へ転向しました」。

 

ところが……。

「朝の5時から夜の12時まで毎日稽古を続けたら、過労で倒れました。
腎臓を悪くしてしまい、運動は続けられないとの病院での診断。
休学して、同じ大学の他の学科を受けるか悩みましたが、進みたい学科がなくて…。
ちょうどそんなとき、5歳からお稽古を続けてきたお花のことを思い出したんです」。

当時、雑誌「an an」に“これからの女性の仕事”というテーマで、
“フラワーパフォーマー”という仕事が紹介されていたとか。
それを見た谷さんは「お花のスタイリングをしたい」とひらめいたそう。

体育教師という夢を一度捨てた時に浮かんできたのが、かつて親しんだお花。
ポケットに入れて大切にし続けたものは、いつか自分の身を
助けてくれるのかもしれません。

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結局、大学を辞め、お花のスキルを身につけるための資金を稼ぐことに。
ご実家の本屋を手伝いながらお花屋さんでアルバイトを始めます。

お花のスタイリングの仕事をしたいと思ったのに、まずはスキルを身につける。
一見遠回りのように見える谷さんの選択に驚きました。
真剣にお花の仕事に取り組みたい。
そんな谷さんの覚悟の深さが伺えます。

「実家の一部屋を借りて夜間に学習塾も始めました。
実家の本屋も手伝いながら、夏にはプールの指導員もしていたんですよ」と笑う谷さん。

実家が本屋だったので、
「うちの子は勉強ができない」などと相談を受けることも多かったそう。
最初は人に頼まれて、小学生は全教科、中学生は英語・数学を教えることに。
学習塾は好評だったようで、一時期は約20人も教えていたとか。
約3年間続け、資金を貯めました。

そこで、フラワーデザイナーの資格を取るために、
ご実家のある兵庫から学校のある姫路まで通うことにしました。

なんと、一度に2年分の講座の費用を支払い、本来2年かかるコースを1年間で習得したそう。
その後も、様々なフラワースクールに通い技術を取得したとか。

一度目標を定めたら、具体的な手段を見つけて短期間でスキルを身につける。
「お金がない」「時間がかかる」などと言い訳は一切しない。
当時まだ10代だったと言いますから、谷さんのガッツには感服します。

 

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19歳になる頃、大阪でお花の仕事を紹介してもらい、実家から出ることに。
当時、大阪にいたお姉さまの住居に身を寄せお花屋さんで働き始めます。

しかし、せっかく仕事を始めたというのに
1年経った頃、今度は肝臓を悪くしてしまいます。

「いつもアクシデントは身体に起こります。
でも、そういう時、“何で”ではなく“だったらどうしよう”と考えるんです」。

急にマイナスの出来事が起こった時、
私なら「どうしてそんなことになってしまったのか」などと、
いつまでもグジグジと考え、時間を無駄にしてしまいそうです。
谷さんの気持ちの切り替え方は本当にすごい!

 

身体が回復した頃、
昔から憧れていた有名な京都のお花屋さんへ面接に行きましたが
“今は空きがない”と言われてしまったそう。
そこで、別の花屋さんでアルバイトをしながら機会を伺うことに。

ちょうどそんな時のことでした。
その頃、同居していたお姉さんが3人目の子供を妊娠。
切迫早産になってしまい、
「家事と上の子供達のお世話をお願いできない?」と頼まれたのだと言います。

そして、同じタイミングで、あの面接をした京都のお花屋さんから
“空きが出た”と連絡が……。

「姉は上に2人子供がいて、私以外に頼れる人はいませんでした。
結局、お花屋さんの仕事は断って、家事と育児の両方をすることにしました。
その時、“私の存在価値ってそんなものだったんだ”と愕然としたんです」。

 

やむを得ない事情があるとはいえ、
家族からの「直ぐに仕事を辞めて、こっちを手伝って」という一言に
「私のやっている仕事の深さはその程度のものだったんだ」と感じてしまったのだといいます。

 

折角のチャンスも逃してしまった悔しさは計り知れません。
それでも「時期が来るまで待つことも大事」と谷さんは振り返ります。

「うまくいかない時はそういう時だと思って、無理をしない。
思考は現実になると言いますが、
“心”が思うからこそ行動すると思うんです。
積み重ねることで夢はきっと叶っていくと信じています」。

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一度夢を描いたら、まっすぐに突き進む強さも必要です。
でも、日々生活を送っていると、自分の思い通りにはいかないこともあります。

そんな時は、もしかすると、続けるのか辞めるのか、自分が試されているのかもしれません。
そして、「続ける」と決めた時、より一層、夢への「思い」は強くなっているのだと思います。

 

谷さんの奮闘もあって、お姉さんは無事に出産。
再びスタートラインに立たされた谷さんは、それでも諦めずにお花の道を模索しました。

これから先のお話は次回に。

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