「人を下げて」「自分を上げて」いませんか?

img_1487%e3%81%ae%e3%82%b3%e3%83%94%e3%83%bc

 

この連載「もっと早く言ってよ!」は、ずっと前から知っている、と思っていたことなのに、
この年齢になって「あ、そうか!」とやっとわかった気がする体験を、
50代の私が、20代だった私に伝えるつもりで綴っています。

 

ノリコさん、ノリコさんの周りには素敵な人がたくさんいますよね? あなたは誰が好きですか? あれ? あんまりいない? それはもったいない! 多分、いないんじゃなくて見つけられていないんじゃないかなあ。
あのね、ノリコさんはいつも「しっかり者」とか「責任感がある」とか言われているでしょう? そんな自分に多少の自信も持っている……。そんなとき、ちょっと気をつけて!
私も自分の若い頃を振り返って反省するんだけど、周りにいる人を見つめる時、つい「あの人のここは素晴らしい。でも、ここはちょっと足らない」と、必ずそこに「批判の目」を含めてしまっていないかなあ?
それはね、冷静に分析してみると、「人を下げて、自分をあげたい」からなんだよ。私はつい最近このことに気づいて愕然としてしまいました。知らず知らずのうちに、自分が優位に立ちたいって思っていたんだなあって。だからどんなに素晴らしい人でも、どこかに「自分よりできていないこと」を見つけようとしちゃってた。なんてこった!

だからね、最近では人の話を聞くとき、まずは「全てを肯定する」ことから始めてみようと思っています。私もノリコさんも人には見せない「負けず嫌い魂」が、心のどこかにあるんだよね。でもね、そろそろそれを手放そうと思って。誰かと競って勝ったって、それが何になる?

それよりも、隣にいる人のいいところを見つけて、「わあ、すごい!」と拍手して、素直にそれを真似したり、自分に取り入れてみた方がずっといい。そんな目でもう一度周りを見渡してみて。きっと素敵な人の素敵なところがいっぱい見つかると思うから。
そしてね、今ようやく「肯定の目」を保つことを始めた私が発見したのは、そうやって誰かと競うことをやめたら誰かと一緒にいることが、すっごく楽しくなるってこと。もう競争しなくていい。誰かの「いいところ」を見つけることで自分もハッピーになる。そんな連鎖をこれからもっと見つけていきたいなあと思っています。

 


特集・連載一覧へ