ニベアのお年頃

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50歳を過ぎた頃から、肌が弱くなって、すぐかゆくなったり、ポツポツと赤い斑点ができたり……。
以前は、薬を塗っていたのですが、
雑誌で「肌ケアには、とにかくボディークリームを塗るべし!」と書いてあったので、
朝と夜、お風呂の後に以前より丁寧にクリームを塗ることにしました。

おへそ別冊「まずは、からだを整える」で、スタイリストの大草直子さんが
使っていらっしゃったのが「ニベア」のボディーミルクです。
これは「プレミアム」じゃないとダメなのだとか。
以前は、もっとお高いオーガニック系のものを使っていたのですが、
気兼ねなくたくさん使うためには、リーズナブルなコレは大助かり!

腕の付け根の裏側あたり(二の腕あたり)や、首の付け根から背中への肩周り、太ももの裏あたり
など、手が届きにくいところも、一生懸命手を伸ばして塗ります。
すると、これが効果絶大!
かゆみはなくなったし、肌の状態もすごく良いのです!
やっぱり、足らなかったのは、保湿なのね!
と思いました。

 

光野桃さんの新刊「白いシャツは白髪になるまで待って」(幻冬舎)を拝読しました。

 

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私は、20代の頃、光野さんの著書をそれはもう貪るように読んだものです。
「おしゃれの視線」「おしゃれのベーシック」「実りの庭」などなど……。
言葉の使い方が素晴らしく、こんな文章を書ける人になりたい!と憧れました。

そんな桃さんを「暮らしのおへそ」で取材させていただき、
お話できるようになるなんて!

この新著を拝読して、驚いたのは60代になった桃さんがご自身の年齢をしっかりと
受け止めていらっしゃるということ。

あんなに洋服大好き!な桃さんだったのに
「着回しをやめる」「試着はしない」だなんて!

そこには、あれこれ服を増やすこと以上の、
歳を重ねたからこその、納得の「おしゃれ」がありました。

例えば「服を決めて、着続ける」というページ。
「どんな豪華な衣装でも、ぴったり身についてふだん着のように見えればしめたもの。
そういうことを『着こなし』というのです」という白洲正子さん特別展のチラシの言葉を引かれ、

「結局のところ、『似合う』の真髄は、服に目がいかない、ということに尽きる」と綴られています。

世界で活躍する男性ファッションデザイナー達は、いつも同じ格好をしているそうです。
アルマーニも、ドリス・ヴァン・ノッテンも、トム・フォードも。

「皮膚のように馴染んだ着こなしを確立しているということは、おしゃれの抱えるさまざまな
『心配事』から解放され、やるべきことに集中するための、プロの身支度だ」

 

なるほど〜!と膝を打ちました。
毎日同じ服でもいいんだ。私もあれこれ揺れることなく、自分らしいコーディネートを
見つけたい、と思ったのでした。

そして、おしゃれのことを書きながら、歳を重ねるということ、生きていくということに
深く切り込む一文がさりげなく挟み込まれているところが、
桃さんの本が宝物になる理由です。

「運がいいひとに共通の外見は、清潔感や肌のきれいさに加えて、機嫌がいいこと」

この一文を読んで、ハッとしました。
私はいつも不機嫌そうな顔をしていないだろうか‥‥。特に家人に対して……。

「大人のおしゃれに決して忘れてはいけないことがある。品性だ。(中略)
要は心にゆとりがあるかどうかということだろうか。
ゆとりとは、許せることである。(中略)
若い頃は誰しもこだわりが強く、それに翻弄される。欲も強い。
もっとよくなりたいと努力もするが上ばかり見ているから苦しい。
けれど、その苦しさの中から次第に手放すものが見えてくる。
ひと様も自分も許すことを知る。すると、愛が満ちてくる。
歳を取ったら、上でも下でもなく水平なまなざしで生きたい」

 

私も桃さんのように素敵に歳を重ねたい、と思いました。
この1冊おすすめです。

 


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