好きなことはやめられない

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取材で北海道へ行ってきました。
とあるペンションに泊まり、朝目覚めて窓の外を見てみたら……。
うっすらと夜があけるところ。
雪と雲とかすかな光。
その墨絵のような風景がなんとも美しくて……。

しばらく見とれていると、あれ?
なんだか人影が……。
新雪の上に足跡を残しながら、あっちへ行ったり、こっちへ来たり。

一緒に行ったカメラマン、興村憲彦さんが夢中になって写真を撮っていたのでした。
この朝だけではありません。

車で移動中、「わ〜、きれいだな〜」「お〜すごい!」
運転しながら、感動しまくる興村くん。
とうとう「ちょっと、いいっすか」と車を止めて、カメラを持って
外へ飛び出してしまいました。

あ〜、この人は美しい景色と、それを切り取る写真が
本当に好きなんだな、と
しみじみ思いました。

「好き」ってこうこうことなんだよな〜って。

私も雪の風景は、なんてきれいだろうと感動したけれど、
きっと興村くんの目には、何十倍、何百倍も美しく映っていたのだろうと思います。
それだけ感動できるからこそ、いい写真が撮れる。

努力をしなくても、
頑張らなくても
力を出せること。
それが、その人が「本当に好きなこと」なんだと思います。
それさえ見つければ、
努力を努力ともおもわず
頑張ろうと力むことなく、
自然に、自分の中にある火種に着火して
ボボボボ〜〜ッと飛び立つことができるのだと思います。

それは、私にとって何なのだろう?と考えると
やっぱり「暮らし」と「書くこと」なんですよね。

それはたとえばこんなこと。
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取材先で見た「無印良品」の「ひっかけるワイヤークリップ」をさっそく真似して
キッチンのスポンジやたわしを、吊るしてみるってこと。

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また違った取材で知った、夜寝る前に洗いカゴを吊るしておく、という
テクを真似してみるってこと。

そんな小さな暮らしの工夫が、楽しいしワクワクするのです。
さらに、それを発見したときのことを
文章に綴るのは、また別の種類のお楽しみ……。

私はつくづく、「暮らし」ってことが好きなのだなあと思います。
それを「書く」っていう仕事にできて本当に幸せだなあと思います。

でも、それが「好き」なんだって、わかったのはごく最近のことです。
以前は、「書く」ってことは仕事で、「暮らし」は単なるテーマだった。
でも、やり続けるうちに、
「書く」ってことも「暮らし」ってことも
ちっとも飽きないし、どんどん面白く深くなってきて。

どうやら、私は魂のレベルでこれが好きらしい。
とわかってきたのです。

自分の「好き」を見つけるのって、案外難しい……。

つい人の目に惑わされ
「これを好きって言ってるアタシってどうよ?」と思ってしまう。

でも、嵐が大好きな人は、
嵐から魂のレベルでいろんなことを学ぶはずだし、

食べることが大好きな人は、
おいしいものから、人生に欠かせない何かを学ぶはず。

みなさんの「好き」はなんでしょうか?


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